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日テレの縦型ショートドラマ、コーセーコスメポートがタイアップ 再生回数630万回超え

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コーセーコスメポートは2023年8月、「TikTok」で配信している縦型ショートドラマ『毎日はにかむ僕たちは。』(通称=まいはに)とタイアップを実施した。「ビオリス」「ジュレーム」「ソフティモ クリアプロ」の3ブランドをストーリーに溶け込ませたドラマ2本の再生回数は630万回を突破。商品への反響を調べた結果、「ビオリス」は好意度が120%、利用意向が112%と上昇した。手応えを得て、11月末にも第2弾の配信を控える。

@maihani.4 告白はされたい派・したい派?告白をするって割と道徳の不足が招く行為だなと思っています。“不用意に相手を傷つけない“というルールから大きく逸脱しているのに何故か“告白“に関しては許されている。「好意であれば伝えて良い」なんて事があるわけなく、「好意の持つ身勝手さを理解してない人は好意を振りかざしてはいけない」と思ってます。めげずに何度も告白できたことや振られたことを美談にしている人間もいますが、その好意を受け止める人間が傷ついているということを忘れないようにしたい。どうしても告白したいときは、告白したい気持ちをグッと堪えて気持ちを垂れ流しながら善行を重ねましょう。絶対にうまくいく!!100%!!そもそも告白しなくても付き合えるケースはいっぱいあるけど、告白せずに振られるケースは一個もないから!! #PR #クリアプロ #ジュレーム #ビオリス #日テレ #告白 #恋愛 #片思い #ショートドラマ #まいはに #短編映画 #短編ドラマ #ドラマティッカー #ショートフィルム #ドラマ #TT映画祭2023 ♬ さよならプリンセス – Kai

ショートドラマとは

『毎日はにかむ僕たちは。』を制作するのは、日本テレビ 総合編成センターメディア開発Divプロデューサーの井上直也氏、同Divビジネスプロデューサーの平岡辰太朗氏ら。縦型ショートドラマを中心に映像コンテンツを制作するGOKKO(東京都豊島区)も協力している。2023年3月にスタートし、1作品あたりの平均再生回数270万回という人気を誇る。視聴者にリーチするための広告は使用せず、自然に生じた再生回数という。

ショートドラマは、スマートフォンのタテ画面での視聴を前提とした数分程度の実写ドラマだ。電車で移動中に、あるいは学校の休み時間に、といった短い時間の間に楽しめる。いわゆる「Z世代」(1990年代中盤から2000年代生まれ)の中では主流のコンテンツになりつつある。

写真 日本テレビ 総合編成センターメディア開発Divプロデューサーの井上直也氏
日本テレビ 総合編成センターメディア開発Divプロデューサーの井上直也氏

しかし、一般的なテレビドラマとの違いは画面の大きさや比率だけではない。井上氏は「脚本やキャスティングといった表現、右脳的クリエイティブの部分と、データに基づく改善のくり返しといった左脳的な部分の双方を兼ね備えた表現手法」と話す。

「数分程度といったアバウトな捉え方ではなく、全体の長さを何分にすれば最も視聴されるか、カット割りやストーリーのテンポ感、音楽のBPM(=1分あたりの拍子の数)など、作品を構成する要素を細かく分解して、A/Bテストを実施したり、PDCAを重ねたりして制作しています」(平岡氏)

グラフ Z世代はショートドラマの企画やテンポを高く評価

「TikTok」においては、しばしばユーザーに対する「おすすめ」を選ぶアルゴリズムが変わる。「1日中『TikTok』に張り付いている」と話す井上氏によると、「長さが1分の動画がバズるとき、2分がバズるとき、3分がバズるとき、そのときどきのアルゴリズムで回るものが違う」という。3分で制作したものを分割したり、1分で制作したものを再編集したり、と細かな調整も欠かせない。

写真 日本テレビ 総合編成センターメディア開発Div ビジネスプロデューサーの平岡辰太朗氏
日本テレビ 総合編成センターメディア開発Div ビジネスプロデューサーの平岡辰太朗氏

無論、クリエイティブ部分も重要だ。『毎日はにかむ僕たちは。』のメインコンセプトは「視聴者が登場人物になるかもしれない物語の擬似体験」。Z世代が当事者意識を持てるストーリーを意識している。

「面白いから見る、共感できるからバイラル的に広まる、というのが大前提です。常に『Z世代』を主語にして考えています」(平岡氏)

タイアップでも共感がカギ

まだショートドラマとのタイアップの前例がない中、プロモーションに活用しようと先鞭を付けたのがコーセーコスメポートだった。「むしろ他社での例がないのなら、いち早くチャレンジしようと」と話すのはコーセーコスメポート 宣伝部 デジタルコミュニケーション室の岸本澪氏だ。

「SNS上でもさまざまな施策を講じてきましたが、次第にブランドの色が強くなり、一方通行のコミュニケーションになってしまいがちでした。TikTokでもPR投稿が増えてきており、お客さまにも飽きが見られるのではないか、という懸念もありました」(岸本氏)

そこで選んだ施策が、『毎日はにかむ僕たちは。』のショートドラマでのプロダクトプレースメントだった。岸本氏は「ショートドラマの中で自然に商品を表現できれば、テンションとシーンに合わせて適切に使用方法を伝えられるのではないか」と考えたという。

「単に商品を登場させるのではなく、商品のベネフィットや使用シーンが、ドラマのストーリーの中でもハイライトになることが重要」と話すのは井上氏。

「広告においても、Z世代は押し付けがましいものを忌避します。逆に共感できるものなら広告であっても支持する。商品が物語上不可欠なキーアイテムで、それがあるからこそ、より良くなっている、という必然性が大切なんです」(井上氏)

必然性と「目を引く」は両立する

ストーリーの中で自然に登場するといっても、存在感なく、溶け込みすぎてしまっては意味がない。ハイライトで視線が集まるタイミングで、商品の価値が発揮されることが重要だ。タイアップで選んだ商品は、いずれもちょっとした“違和感”を与えるものでもあった。

画像 「告白されたガール」
画像 「告白されたガール」
画像 「告白されたガール」
マスカラのような形状の「ビオリス ボタニカル ポイント ヘアスティック」。ストーリー上もクライマックスで登場し、使用シーンをうまく見せた

「ビオリス」ブランドからは、ヘアスティックという前髪やおくれ毛などをセットするスタイリング剤。理想的な髪の毛の流れを維持するための商品で、ストーリーの中でも主人公が勇気を出す、まさに「勝負どころ」で登場する。

「ジュレーム」は今年の新商品で、ウォータートリートメントという剤形を登場させた。シャンプー後に用いる髪の美容液で、失恋したことを痛感した主人公が、「かわいくなりたい…」とのセリフとともに使用する。

最後の「ソフティモ クリアプロ」はクレンジングバーム。黒色の特徴で、ビジュアルインパクトも強い。ドラマでは、主人公が好意を寄せた相手の気を引くためのアイテムとして用いるが、視聴者の視線も集めるような出方をする。

写真 コーセーコスメポート 宣伝部 デジタルコミュニケーション室の岸本澪氏
写真 コーセーコスメポート 宣伝部 デジタルコミュニケーション室の岸本澪氏

「いずれも当社のラインナップの中でも金額構成が高く、販売でも力を注ぐブランドです。ただ、その中でもまだまだ使い方を知らなかったり、ウォータートリートメントのように剤型自体が目新しいものもあります。重要なシーンのキーアイテムとして登場することで、商品の存在や使い方について認識してもらえればと考えました」(岸本氏)

ヘアスティックも市場では流通しているが、剤型や使い方の認知は伸びしろがまだまだあるようで、ドラマのコメント欄には「頭にマスカラ…?」といったものも見られる。

「動画自体へのコメントもタイアップしたドラマ2本合計で650件を超えており、双方向コミュニケーションが成立しているように感じました。『ビオリス使ってます』といったものや、『どこで売ってましたか』といった会話も見られたのは、よかった点だと思います」(岸本氏)

@maihani.4 告白されたいと思ったことはありますか?「人間は後世に残す遺伝子を最適化するための乗り物にすぎない」という冷徹な現代の進化論がありますが、せめてその乗り物は最高に魅力的でありたいです。周りの多くの人から好かれる、いわゆるモテる人。本人は謙遜して教えてくれませんが、みんな裏でめちゃ努力をしています。嫉妬心だけでは生産性がなくシャーデンフロイデが放出されるだけなので、「どうせ才能だ、生まれつきだ」と片付けてしまわずに言動や考え方をマネした方がいいです。メラビアンの法則を引き合いに出して「人は見た目が9割」と反論する人は、本質的な努力を放棄した淋しい人なので既読スルーしましょう。そもそもこの概要欄を最後まで読んでいる人は、絶対にモテる!モテオーラを感じるぞ!! #PR #クリアプロ #ジュレーム #ビオリス #日テレ #告白 #恋愛 #片思い #ショートドラマ #まいはに #短編映画 #短編ドラマ #ドラマティッカー #ショートフィルム #ドラマ #TT映画祭2023 ♬ ラブレター – YOASOBI

改善サイクルと“流行ってる”感

プロダクトプレースメントを行う映像作品というと、想起されるのはブランデッドムービーだ。しかし、井上氏は「大きく2つの点で、TikTokショートドラマとブランデッドムービーは異なります」と話す。

ひとつめは、TikTokショートドラマのほうが制作スピードが速いということだ。ブランデッドムービーは一般的に、予算や準備期間が大掛かりなものになる。一方、TikTokショートドラマは、企画から納品までのタイムスケジュールが短く、次の施策を考えるタイミングも早くなる。

「ここでポイントとなるのはユーザーの反応といった定性データと、視聴に関連するさまざまな数値をベースに、次の動画の制作へすぐ移れることです。『毎日はにかむ僕たちは。』だけでも半年間で90本近いショートドラマを制作しました。知見がたまるにつれ精度も高くなりますし、タイアップ作品の次回作も準備しているところです」(井上氏)

もうひとつは、ターゲティング広告“ではない”点だ。換言すれば、視聴態度が異なる。Web動画であれば、ターゲットに合わせて配信するのが常。一方、ショートドラマはバイラルとしてさまざまな層に届けながら、ターゲットへリーチしていく。TikTok上の多様なコンテンツを楽しむ中で、自然に接触することになる。

岸本氏も「結果として多くの方に見ていただくことで、“流行っている感覚”がコンテンツに生まれると感じました」と話す。岸本氏自身の周辺でも、「会う方、会う方、ドラマ見たよと言っていただけた」という。

「これは、たとえばインフルエンサーによる紹介動画ともまた異なるものです」と話すのは平岡氏。

「コスメが顕著ですが、やはりその分野に一定以上の興味や関心を持つ方が多く、同じような視聴属性の方に広まっていく。もしかすると、コアな剤形やまだ普及していない商品についても知っているかもしれません。TikTokショートドラマのいいところは、そこまで関心はない方、違う関心のある方にも届き、ブランドリフトできる点だと考えています」(平岡氏)

認知度だけでなく、好意度や利用意向が伸びたのは前述のとおり。同時期に実施した別施策との相乗効果もあって、「特定の施策だけとは言えないものの、結果的にPOSへのつながりも見られました」と岸本氏は話す。

井上氏が話すとおり、11月末にはコーセーコスメポートによるタイアップの次回作を公開する計画だ。

「次回はさらに商品のキーアイテム化を進めたいと思います。実は、次に登場するのは商品の認知がまだまだこれからのもの。共感しながら視聴するショートドラマの中で、どのような輝かせ方ができるか、さらに挑戦したいと考えています」(岸本氏)

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