ドコモ「Lemino」に聞いた なぜ今、オーディション番組がアツいのか?

近年、人気を集めるオーディション番組。視聴者が参加者の成長に一喜一憂する光景が当たり前になってきている。さらに、投票や応援を通じて番組に参加できる「参加型」の形式も定着したことで、視聴体験そのものが大きく変わりつつある。オーディション番組はなぜ支持されるのか。その背景について、NTTドコモが提供する映像配信サービス「Lemino」で企画運営を手がける田中智則氏に話を聞いた。

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田中智則氏

NTTドコモ
コンシューマサービスカンパニー
映像サービス部 部長

1995年 日本電信電話入社。サービス企画開発、M&A、グループ戦略、経営企画業務に従事。2012年からコンテンツビジネス事業を担当し、直近では映像配信サービス「Lemino」の企画開発を担当。

昨今多くの視聴者から支持を集めている映像コンテンツに、オーディション番組がある。視聴者は出演者の挑戦や葛藤する姿に共感し、画面越しにその成長を見守っている。番組の成功を支える原動力とは、一体なんだろうか。

加熱するオーディション番組 鍵は自分事化できる視聴体験

NTTドコモが運営する映像配信サービス「Lemino」では、これまでに『PRODUCE 101 JAPAN THEGIRLS』や『ミスタートロット ジャパン』など、20本以上のオーディション番組を展開してきた。『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』は、韓国のオーディション番組をもとに制作された日本版で、練習生101人が参加し、視聴者投票によってグループを結成。最終的に選ばれたメンバーがデビューを果たすというもの。同じく、日本版が人気の「ミスタートロット ジャパン」は、トロット歌手を目指す参加者が競い合うオーディション番組だ。

韓国の伝統的な音楽ジャンル「トロット」をテーマに制作されたオーディション番組の日本版『ミスタートロット ジャパン』。

Leminoでは、こうしたオーディション番組を次々に配信しているが、Leminoを担当する田中智則氏は、オーディション番組が多くの視聴者に受け入れられる理由について「視聴者が自身の経験と重ね合わせながら共感し、感情移入する “応援体験”がある」と語る。デビューを目指す出演者の裏側の努力と成長を可視化した番組構成は、ストーリー展開を“自分事”として受け止めさせる力を持つのだという。

「出演者が必死に努力する姿や、壁にぶつかりながらも乗り越えていく過程に、視聴者の方々は自身の過去や体験、想いを重ねながら視聴している傾向にあると感じています。オーディション番組特有のリアリティあふれる “等身大の物語” は、完全なる “他人事” として見られないのかもしれません。それが、視聴者の共感力を高めるきっかけにもなっているのです」(田中氏)。

代表的な例が、まさしく『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』だ。101人の練習生がデビューを懸けて切磋琢磨する様子が描かれるが、視聴者は自身の投票を通じて、“推し”の未来を左右する立場となる。そのため、視聴者は “自分が育てたグループ” “自分が応援したメンバー” という感覚を抱きながら、放送終了後も深い愛着を持ち続けるのだ。「出演者の等身大の挑戦が、視聴者の感情を強く揺さぶる。そこにもオーディション番組の本質的な魅力があるのだと思います」(田中氏)。

“練習生”と呼ばれるアイドルを目指す少年少女たちが競い合い、視聴者投票でデビューメンバーを決めるサバイバルオーディション番組「PRODUCE 101」シリーズ。日本版では、「JO1」「INI」「ME:I」がデビューした。
(画像は、シリーズ第3 弾『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』)

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