「SEO is Dead.」を検証!煽り記事に惑わされずにコンテンツマーケティング担当がいますべきこと

AIの浸透により、消費者の情報探索行動が変化をし、検索行動が減少し、結果的にSEOを起点としたコンテンツマーケティングが通用しなくなるのではないか?という懸念が生まれています。「SEO is Dead.」は真実なのか?コンテンツマーケティングの実務を担う、SEOの専門家、上田寛人氏が、SEO界隈の有識者に見解をヒアリングし、その真実に迫ります。
※本記事には前編があります

「AIの浸透でSEOは終わる…」。マーケティング界隈で昨今、聞かれるこの問いに対して、筆者はSEOに詳しい業界関係者にヒアリングを重ねてきました。結論としては、確かにAIチャットボット向けに新たに対策をすべきこともあるものの、主要なAIチャットボットのデータソースは、既存のSEO対策で対策している検索エンジンと同じであることを考えれば、従来とやることは変わらないのでは、という見解を前編の記事で示しました。

後編となる今回は、筆者の個人的な予測も踏まえて、これからのマーケティング、コンテンツマーケティングの方法論を解説していきたいと思います。

【筆者推測含む!】AIに引用されるために、こんなことも効果的かも?

ここからは、筆者の現時点での推測も含まれますが、AIにコンテンツを引用されやすくするために有効かもしれない施策をいくつかご紹介します。

● アフィリエイトのランキングサイト上位掲載:
例えば、「マーケティング雑誌 おすすめ」と言われて宣伝会議をお勧めしてもらうには、「マーケティング雑誌 おすすめ」で上位に来る5つのサイトにおいて、どのサイトでも宣伝会議をおすすめしてもらっていたら、AIが宣伝会議をおすすめしてくれる確率は上がるのではないかと思っています。なので、ランキングサイトへの上位掲載は一定有効になる可能性があります。ただ、ChatGPTがショッピング機能を搭載しているので、有形財の場合はショッピングサイト内のレビュー対策等の方が有効になるかもしれません。ここはまだ現時点では何とも言えません。

● サイテーション(言及・引用)の対策:
これは直近のSEO界隈ではずっと言われていることですが、結局ブランドへの言及をSNS・WEBページ・動画メディアなど、マルチメディアで増やしていくことが非常に有効だと考えています。様々な情報ソース上で言及が増えれば、その分AIが学習する量も増えて、自社サービスを推奨されやすくなるのは自明です。そのための施策は、口コミキャンペーンやソーシャル上で自社商品の投降を促すキャンペーン、口コミを店頭で獲得するキャンペーンなど、泥臭いが有効な戦いをするしかないかもしれません。

● コンテンツは徹底的に「独自情報」「誰が書いたか」にこだわる:
今後の予測ですが、AIによって圧倒的に記事制作コストが下がり、WEBにAI生成記事が氾濫することになるのは、ほぼ確定的な未来かと思っています。そうなると、AIが他のAI生成コンテンツを引用して記事を生成するという、無限スパイラルに入りそうです。しかし、Google/Bing等、AIの情報ソースを提供する検索エンジン側がそれに対策しないとは考えづらく、結局は「独自の質が高いコンテンツを評価する」流れになるかと思っています。「誰かの情報の焼き直し」ではなく、「自社しか持っていない情報」、つまり一次情報の重要性はますます高まるでしょう。余談になりますが、AIを活用して記事制作コストを下げながら、自社の内部にしかない深い情報を入れ込んで記事を制作するメディアレトリバーというサービスを始めたところ、現状のところ順位もCVRも極めて良いです。独自情報は評価されやすいと考えています。

また、著者情報の重要性はより上がっていくと考えています。「宣伝会議社編集部の上田寛人が、AIを使いつつ取材したうえで記事にしました」のように、ある程度著者・編集者の名前が出ていて、主張や考えを述べるというのは逆にAIで量産しづらいところになるので、AI生成記事が増えるほど、今後はそのような記名の取材記事が評価されるようになるのではないでしょうか。

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