戦士・僧侶・魔法使い・遊び人…AI時代に必要なのはドラクエ発想のワークスタイル

『エンタメビジネス全史』などの著者でエンタメ社会学者・中山淳雄氏などが登壇したセミナー「キャリアの選択肢を広げる『ドラクエ型ワークスタイル』とは?~AI時代、自分らしい未来の働き方を考える~」が5月26日に開催された。ベンチャー留学など越境学習プログラムを提供するエンファクトリーとAIとデータによるキャリア管理ツールのCAREER FORTHを開発するキャリウムが共催。同イベントは、求人営業職、経営コンサル、IPプロデューサー、エンタメ研究者とキャリアの幅を広げてきた中山氏らによってドラクエ型ワークスタイルについてパネルディスカッションが行われた。

日々テクノロジーの進化が凄まじく、AIが代わりにタスクを自動的に実行してくれるAIエージェントなどのサービスも近年提供されている。AIが普及してタスクの代替やスキルの取得が容易になれば、「何ができるか」ではなく「何をしたいか」に基づいて自由に職を選んでいく。人の働く目的について改めて問い直すなかで、ドラクエ型ワークスタイルが提唱された。

ドラゴンクエスト(通称ドラクエ)は、プレイヤーは勇者や冒険者となり、戦士・武闘家・僧侶・魔法使い・商人・遊び人といった様々な職業の仲間(パーティー)とともに魔王などの強敵に立ち向かい、広大な世界を冒険するロールプレイングゲーム(RPG)シリーズ。ドラクエⅢなどには「転職」というシステムがあり、一定のレベルを超えるなど条件を揃えると、他の職業にジョブチェンジできる。このゲーム設計になぞらえ、ドラクエ型ワークスタイルについてディスカッションが進んだ。

ドラクエ型ワークスタイルを、「RPGのように魔王を倒すといったミッション達成が原動力」「パーティーを組んで必要な仲間と柔軟にチームを組む」「自由にジョブチェンジができる」と定義。一方でお城勤め型ワークスタイルもあり、「組織維持が目的」「固定の家臣団で役割を固定してチームを組む」といった日本特有の働き方を提示した。

イメージ ワークスタイルとの対比

「20代から30代前半までは“目の前のスライムを倒す”など役割が明確。その時期はお城勤め型ワークスタイルが求められた。役職が上がってきたときにミッションを自ら立てることやチーム編成を考えることが増えて、ドラクエ型ワークスタイルが必要になる」とバランスが重要と中山氏。

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