シリーズ広告として積み上がる反響
花王は、ヘアケアブランド「メリット」の新CM「手をつないだ日」篇(60秒)を3月28日より全国で放映開始した。
同CMは、アニメーションで“家族愛”を描くシリーズ「家族と愛とメリット」の最新作。春夏秋冬と移りゆく季節の中で、父と娘が手をつないで歩む日々と、やがて子どもが親の手を離れていく成長の瞬間を描いている。楽曲には、椎名林檎「ギブス」を起用し、子どもの声によるカバーで表現した。
シリーズは2024年にスタートし、日常の中にある家族の何気ない瞬間を丁寧に描くことで共感を集めてきた。これまでの作品では、入学式や日常のワンシーンを切り取る構成が中心だったが、今回は60秒の尺を生かし、時間の積み重ねそのものを表現している。
新CMでは、動物園や帰り道、季節ごとの風景など、親子で過ごす日々を描写。やがて娘は新しい友だちと手をつなぎ、親の手を離れていく。親子で過ごす時間の尊さと、成長に伴う切なさを重ね合わせることで、「家族愛」を表現した。
3月28日からテレビCMでも放映する「手をつないだ日」篇のカット(左)/交通広告ビジュアル(右)
本企画にはクリエイティブディレクターの栗田雅俊氏、アートディレクターの関戸貴美子氏、コピーライターの早坂尚樹氏、PRプランナーの辰野アンナ氏らが携わっている。今回の企画について、栗田氏は、まず「手をつないでいた子どもが離れていく瞬間」というストーリー構造が先に定まったと説明する。その上で楽曲を選定し、映像と歌詞が一致する設計を行った。
早坂氏は、この映像モチーフについて「パッと手を離す瞬間って意外と残酷」と話す。子どもにとっては自然な成長の一歩である一方、親にとっては関係の変化を実感する瞬間でもある。そうした感情の揺れを60秒の時間の中で描く物語を、制作チームで何度もやり取りしながらつくりあげていったという。
その物語を最大化するために使用した楽曲が「ギブス」だった。もともとは恋愛の文脈で受け止められることの多い曲だが、親子の映像に重ねることで、新しい意味が浮かび上がった。
シリーズ全体について栗田氏は、単発の広告ではなく、継続による浸透を重視していると語る。人は広告を見ても忘れていくため、「メリットの家族愛という同じメッセージを繰り返し届けていくことが重要」とし、続けることでブランドイメージを積み上げていく考えだ。一方で「続けていくために、鮮度や驚きをつくることも必要」と語る。そのための昨年の楽曲「幸福論」から「ギブス」という楽曲リレー起用だった。
2025年3月に放映したCM「一年生になった日」篇のカット(左)/交通広告ビジュアル(右)
「家族と愛とメリット」シリーズは、SNS上で「泣けるCM」として話題化するなど、共感を軸にした広告として評価を高めてきた。今回の新作も同様に、親世代を中心に反響が広がっている。
花王は今後も、「やさしさ・安心感・清潔」を届ける“家族愛”ブランドとして、日常の中にある家族との時間に寄り添うメッセージを発信していくとしている。

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スタッフリスト
企画制作
電通+電通クリエイティブピクチャーズ+ジェー・シー・スパーク
CD
栗田雅俊
PL
栗田雅俊、関戸貴美子、早坂尚樹、辰野アンナ
C
栗田雅俊、早坂尚樹
AD
関戸貴美子
PRプランナー
辰野アンナ
演出
田中嗣久
イラストレーター
ニシワキタダシ




