中東情勢の緊迫化を背景に、生活必需品の供給不安への関心が高まる中、企業広報にはこれまで以上に責任ある対応が求められている。特に直近ではサランラップや住宅設備などの値上げ報道が相次ぎ、通常よりも多くの発注を受けている関連企業も確認されている。
アイラップを展開する岩谷マテリアルは4月7日、Xで「在庫は十分にありますので、当面は供給に問題はございません」と投稿した。投稿では、昨今の情勢を受けて商品の動きが速くなっているとの認識を示すとともに、政府広報オンラインによる備蓄の呼びかけにも触れ、ローリングストックなどを通じた日頃からの備えを呼びかけた。
同社は以前から、転売や品薄騒動が起きるたびに混乱を広げないための対応を重ねてきた。今回の供給不安に対して広報が果たす役割について、同社デジタルコミュニケーションの坂本英明氏に取材した。
4月7日に「X」で投稿した供給に関する情報
同社の定番商品「アイラップ」は、食品の保存や調理に使えるポリ袋として広く知られている。2024年元日に発生した能登半島地震を機に、防災用品としての関心も一気に高まった。
日本デザイン振興会が主催する「2025年度グッドデザイン賞」を受賞したほか、今年3月12日には1976年発売当初のデザインを再現した「アイラップ 復刻版」をEC限定で発売した。同日には合同記者発表会にも参加しており、Xで「アイラップ初となる宣伝活動」と発信するなど、注目が続いている。
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生活用品も脅かす供給不安
昨今の中東情勢の変化に伴う供給不安は、生活用品のラップ製品にも影響を及ぼしている。4月13日には、旭化成の小堀秀毅会長が、原油高騰やナフサの供給不安を背景に、「サランラップ」の値上げは避けられないとの認識を示した。
一方で、ナフサの調達については6月までめどが立ったという。ただ、ポリエチレンやポリプロピレンなどの中間財については価格転嫁を避けられないとしており、先行きへの不安が広がっている。
厳しい状況が続く中、アイラップおよび関連製品について「当面の供給に大きな問題はない」と坂本氏は話す。一方で、話題の広がり方によっては、一時的に店頭で品薄感が生じる可能性はあるとしている。
