AI技術の進化が広告・マーケティング業界に大きな変革をもたらすなか、GumGumは新たなチーフ・レベニュー・オフィサー(CRO)としてケイティ・ロリア氏を迎え、その戦略を大きく前進させようとしている。同社が掲げる「マインドセット・カンパニー」というビジョン、そしてAI時代における広告の未来とは。初来日したケイティ氏とEMEA&JAPAC General Managerのピート・ウォレス氏、日本の事業を率いるセルビー健三氏に、GumGumの現在地とこれからの展望について話を聞いた。
GumGum チーフ・レベニュー・オフィサー(CRO)ケイティ・ロリア氏。
ひとつのチャネルに依存しない、オムニチャネルのアプローチへ
━━CROに就任しGumGumの収益構造をどのように戦略的に変えていこうとお考えでしょうか。コネクテッドTV(CTV)やオムニチャネルなど、いくつかの成長ドライバーを提示されていますが、改めて考えをお聞かせください。
ケイティ氏:これまでGumGumは、コンテクスチュアル広告の会社として知られてきたと思います。しかし現在は、人がどのようなマインドセットにあるかに着目し、ブランドのメッセージと最も適したタイミングでつなぐことで、広告成果の最大化を支援する会社へと変化を遂げています。
当社独自のAIデータエンジン「Mindset Graph(マインドセット・グラフ)」がコンテンツ、クリエイティブ、環境、直近の行動履歴など、多様なシグナルをリアルタイムで統合・分析し、最も反応が期待できる瞬間を特定します。
ディスプレイ広告やリッチメディアやCTVといった領域での広告メニューを提供してきましたが、私の役割はこれらをひとつにまとめ、よりオムニチャネルなアプローチで市場に向き合えるようチームをサポートすることにあると考えています。
私はGumGumにとっては、新しいメンバーではありますが、これまでのキャリアの中でプレミアムビデオなどを扱う経験をしてきました。この経験が買われてGumGumに参画したと認識しています。
特定のフォーマットに偏るのではなく、ブランドにとって最適な成果を出せるよう、すべてのフォーマットを横断して最適化を図っていきたいと考えています。
GumGumは「マインドセット・カンパニー」へ進化する
━━創業時の「コンテクスチュアルターゲティングの広告配信の会社」というカテゴリーから事業が拡大していると思います。現在、GumGumという会社をどのように定義しますか。
ケイティ氏:2024年10月に独自の予測データエンジン「Mindset Graph(マインドセット・グラフ)」を発表したのですが、このマインドセットの予測こそが、広告の効果を高めると考えています。それゆえ、私たちGumGumは「マインドセット・カンパニー」へと進化している最中であると考えています。
「マインドセット・グラフ」は、コンテンツの文脈だけでなく、クリエイティブとの接触、デバイスや時間帯、環境要因、直近の行動など、複数のシグナルをリアルタイムで統合し、その瞬間における生活者の“受容性”を評価する独自のAIエンジンです。
単一のシグナルではなく、それらの組み合わせによって生まれる“今この瞬間の状態”を捉えることで、ブランドのメッセージが最も届くタイミングを見極め、広告配信を最適化します。
広告は人と人をつなげるもの。AI時代も人間の関与は大切
━━昨今、AIの活用が急速に進んでいます。広告という産業に与える影響について考えをお聞かせください。
ケイティ氏:AIはGumGumの基盤に古くから組み込まれており、データやターゲティングの基礎となっています。私たちはこれからもAIへの投資を続け、社内のプロセスにAIの能力をさらに導入していく考えです。これにより、広告主企業のプランニングなどのいったプロセスを迅速化できます。
AIは私たちがより速く、より効率的に動くことを可能にするものです。膨大なデータセットを解析することもできます。しかし広告とは、突き詰めれば人と人をつなげるもの。特にクリエイティブに関しては、人が貢献する対話やストーリーテリングが非常に重要であり続けると信じています。
━━AIによって生活者の購買行動も変わる中で、「マインドセット」や「マインドセット・グラフ」はどのような価値を持つのでしょうか。
セルビー健三氏:AIはメディアコンテンツの消費の仕方から、人々のマインドセットの変化スピードまで、生活者の意識や行動に多くの変化をもたらしています。だからこそ、「マインドセット・グラフ」のようなソリューションが価値を持つと考えます。
私たちはユーザー体験全体を通じてマインドセットを理解しようと探求してきました。広告主は、デスクトップでのブラウジングからモバイル、そしてCTVデバイスに至るまで、デバイスを横断してマインドセットについて考えることができるようになります。AIが主導する環境で消費者が変化していく中で、マインドセットを捉える機会は非常にパワフルです。
写真右からケイティ氏、ピート・ウォレス氏、セルビー健三氏。

