本記事は月刊『販促会議』5月号に掲載されている、巻頭特集「マーケター&クリエイターの「企画力」強化月間」の転載記事です。記事の全文は、月刊『販促会議』2026年5月号、もしくは「販促会議デジタルマガジン」にてお読みいただけます。
広告・販促・PRの提案は、情報量や見た目の完成度だけで決まるわけではない。では、広告・マーケティング担当者は、企画書やプレゼンに何を求め、どのような基準で実施を判断しているのか。ヤマサ醤油で数多くの企画提案を受ける、マーケティング部宣伝広報室の西谷綾氏に、“選ぶ側”の視点から見た、響く提案と埋もれる提案の境界線を聞いた。
ヤマサ醤油が語る 企画を見る際のポイントとは
企画提案の現場では、多くの広告クリエイターが「通る提案」を目指し、課題整理や競合分析、生活者インサイト、施策設計まで準備を重ねてプレゼンに臨む。それでも、整っているのに印象に残る提案と、通り過ぎてしまう提案がある。では、その違いはどこにあるのだろうか。
ヤマサ醤油で宣伝広報を担う西谷綾氏は、日々、広告・販促・PRを中心に多くの提案に向き合っている。近年はデジタルとリアルを掛け合わせた施策や、広告とPRを横断する企画も増えており、宣伝広報室として年間で数十本、常に複数の提案を受けているという。
プレゼンの場で西谷氏が重視しているのは、単に施策の新規性や資料の充実度だけではない。
「企画を見る際は、施策単体ではなく、提案者自身が一人のお客さまとして日々どのように考え、暮らしのなかで当社の商品をどう見て感じているのか、『提案者が実感している視点』と当社の目線が合うかを意識して伺っています」(西谷氏)。
また、提案の中で生活者の姿が具体的に浮かぶかどうかも重要だと西谷氏は話す。
「デジタル・リアル問わず、「提案していただいた施策に『誰が・いつ・どんな気持ちで接するのか』という風景が具体的に浮かぶかどうかは、判断基準として比重が大きいです。生活者が実際に動いている様子が想像できるような視点がプレゼンにあると、ブランドと生活者の接点も見えやすくなるので、説得力も増します。『我々(提案者側)の強みはこうです』といったパッケージ的な提案ではなく、ブランドの課題感を肌で感じていただいているか、『今この施策を一緒に行い、責任をもって育てる覚悟』があるかどうかを重視しています」(西谷氏)。