Adobeは4月20日から22日(現地時間)にかけ、米国・ラスベガスで「Adobe Summit 2026」を開催している。本カンファレンスで発表された内容について、現地からレポートする。
参考記事
アドビが発表した「Adobe CX Enterprise Coworker(以下、Coworker)」は、昨年の「AIアシスタント」という概念を過去のものにした。
同社は2日目の基調講演で、「今やAIは、人間の指示を待つツールではなく、ビジネス目標を共有し、自律的にチームを動かす『司令塔』へと進化を遂げている」と語った——。
P&GのCEOが語る「ジャズの即興性」と「オーケストラの規律」
同基調講演に登壇した、P&G 社長兼CEOのシャイレッシュ・ジェジュリカー(Shailesh G. Jejurikar)氏は、現代のマーケティングを音楽になぞらえてこう表現した。
「マーケティングはジャズの演奏のようになりつつありますが、それを大規模に展開するためにはオーケストラの能力が必要です」。
アドビ CEOのシャンタヌ・ナラヤン氏(左)とP&G 社長兼CEOのシャイレッシュ・ジェジュリカー氏(右)。
ジェジュリカー氏は「かつては、年に1〜2つの『ビッグバン(大型)』なCMを制作し、それを数年かけてあらゆる場所で運用していればよかった。しかし現在は、様々なチャネルで数百ものコンテンツを制作する段階へと移行した。特に適切な安全対策が整った大企業であるP&Gにとって、この規模のコンテンツ制作を管理するには人間だけで賄うのは物理的に不可能であり、AIはもはや『あればいいもの(Nice to have)』ではなく、『なくてはならないもの(Must have)』になった」と強調した。
AIという「オーケストラ」の規律ある基盤があって初めて、人間は「ジャズ」のような自由で即興的なクリエイティビティを発揮できるというわけだ。
キャンペーンが数分で完結するように
同基調講演で、アドビ AIカスタマーエンゲージメント担当 プロダクトマネジメント・シニアマネージャーのRachel Hanessian氏は、アドビと共同でエージェント開発を進めるUlta Beautyの事例を紹介。新しい市場トレンドを検知し、ターゲット特定からキャンペーン立ち上げまでを「わずか数分」で完結させるデモを披露した。
デモでは、ラスベガスにいる人間が寝ている夜中の時間帯であっても、AIエージェントがインフルエンサーが投稿した自社の製品に関する動画や、時差のある市場で競合の価格変動などの動きをリアルタイムで検知し、自律的に対応策を講じる様子が示された。
