伊坂幸太郎氏が20年前に発売した小説『重力ピエロ』(新潮社)が爆売れしている。
伊坂幸太郎『重力ピエロ』新潮文庫刊。
売上再燃のきっかけは5月24日、東京競馬場で行われた中央競馬(JRA)のG1レース「オークス」で、今村聖奈騎手(22)騎乗のジュウリョクピエロが優勝したこと。馬名の由来にもなったといわれる同名の小説『重力ピエロ』(伊坂幸太郎著)がレース直後から書店で激売れしているという。
売り切れの書店も続出し、注文が殺到。オークスから一夜にして『重力ピエロ』に2万部の大重版がかかった。
なお今村騎手は5月24日のオークスでJRA所属の女性騎手で初めてG1レースを制覇。歴史的快挙として、競馬界、競馬ファンの周りでも大きな話題となっている。
担当編集も「オークス注目していた」『重力ピエロ』売上は通常時の10倍
この「ジュウリョクピエロ現象」の反響について、新潮社 プロモーション部 上原子真衣氏によると、『重力ピエロ』の売上はオークス以降、通常時の約10倍にも及んでいるという。
オークスに向けて、新潮社も『重力ピエロ』のプロモーションをまったく仕掛けなかったわけではない。上原子氏は、次のようにコメントしている。
「『ジュウリョクピエロ』が出走するオークスは、新潮社でももちろん注目していました。オークスへいざ出走するとなったとき、実は事前に書店に向けて注文書をお送りしましたし、担当編集者ともども注目していました」(新潮社・上原子氏)。
とはいえ、『重力ピエロ』が発売されたのは、約20年前の2006年6月。新潮社でも何かをきっかけにして話題になることはあったというが、競馬を機会に一夜でバズることは初めてだという。
さらに、ジュウリョクピエロは今年10月にフランスで開催される凱旋門賞にも出走登録されている。それに向けても、新潮社では大きな期待を寄せているという。
「G1のたびに盛り上がると思いますので、書店さまには大きいレースのときは必ず『重力ピエロ』を目立つ場所に置いてほしいと思っています。今後、書店店頭で使用できる“ジュウリョクピエロ”パネルも作成予定です。ジュウリョクピエロが出走するたびに皆さんが小説の『重力ピエロ』のことを思い出してくれたらいいなと思います」(新潮社・上原子氏)。
重版や売り切れが続出している今回の反響について、新潮社は、「今回の『ジュウリョクピエロ現象』は、会社としてとても嬉しく思っています。今後もジュウリョクピエロの活躍は続くと思うので、一緒に伊坂さんや『重力ピエロ』のファンが増えていくことを願っております」と話した。
また、著者の伊坂幸太郎氏も「ジュウリョクピエロの存在は知っていて、応援しています」とコメントしているという。

