人材育成は「機会提供」から「成果創出支援」へ 人的資本経営時代の人材育成と組織開発

人的資本経営の浸透やAIの進展により、人材育成・組織開発の役割は大きく変化している。

日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)ラーニングマーケティング本部 本部長であり、人材開発専門誌『Learning Design』編集長を務める斎木輝之氏に、人材育成領域の現在地と今後の方向性を聞いた。

━━これまでの経歴と現在の役割について教えてください。

入社以来、社会人向けの人材育成領域に一貫して携わってきました。営業からキャリアをスタートし、企業の人材育成や組織開発の支援に関わる中で、現在は事業戦略とマーケティングを統括する立場にあります。

具体的には、会員組織の運営、専門誌『Learning Design』の編集、市場調査などを通じて、顧客との関係構築や新しいサービス開発などにも取り組んでいます。

━━現在の人材育成・組織開発領域で注目されているテーマは何でしょうか。

大きく4つあると考えています。

1つ目は、人的資本経営と経営戦略・人材戦略の接続です。人材育成は福利厚生的な施策ではなく、企業価値向上に資する経営課題として捉えられるようになりました。育成、配置、評価を通じて、事業成果にどう結びつけるかが問われています。

2つ目は、AI・DX時代のリスキリング、アップスキリングです。ただし、単にデジタルスキルを身につけるという話ではありません。AIを使いこなしながら、問いを立てる力、判断する力、他者と協働する力といった、人にしか担えない能力をどう高めるかが重要になっています。

3つ目は、管理職・リーダーの役割再定義です。従来の管理型から、対話や意味づけを通じて人と成果をつなぐ存在へと変化しています。

4つ目は、エンゲージメントや組織文化の強化です。人材の流動化が進む中で、個人が力を発揮し続けられる関係性や組織文化そのものが競争力の源泉になってきています。 こうした背景には、人材の流動化、技術進化、人的資本経営の浸透などがあります。共通するのは、人材育成が「学習機会の提供」から、経営・人材戦略の実現や職場実践につなげる「成果創出支援」へと変わりつつある点です。

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