スポーツがクリエイティビティを救う? 転換点を迎えたカンヌライオンズ2026

共通言語としてのスポーツの強さ

スポーツがカンヌライオンズで評価され、今後も世界のトレンドになりうる理由は3つあります。

1、Live & Together

多くのコンテンツがネット配信される時代。みんなが同時に見る機会は多くはないです。しかしスポーツは楽しむ時間が決まっているため注視率がとても高い。また競い合うコンテンツであるゆえ、SNSで投稿されやすく、“話題に”なりやすい。「スポーツは人類の共通言語だ」とよく言われますが、「みんなが一緒に見る」スポーツ大会コンテンツはいまこそ重要です。カンヌ期間にもサッカーワールドカップの日本戦がありましたが、みんな遅くまで試合を楽しんでいたそうです。

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日本戦の翌日早朝のカンヌライオンズの地下会場。普段と比べて人が少ない中、澤本(嘉光)さん(中央奥)がずっとFilmを見続けていました……。

2、Real Drama

「スポーツは筋書きのないドラマだ」、とよく言われますがそういった嘘のない真剣勝負であることが、AI Slopのフェイク溢れる時代に高いコンテンツ価値を持ちます。

3、A Universal Language

たとえば有名マンガIPを活用した企画が大成功したとしても、その企画の良し悪しは作品を見ている人にしか伝わりづらいです。

しかしスポーツには世界共通のルールがあるため、国やレベルが違ってもやっていることはなんとなく理解ができます。それゆえに、グローバルな審査員団のみなが評価しやすい。たとえば、Entertainment Lions For Sportのグランプリ。ペルーのサッカー3部リーグのチームを応援する企画ですが、サッカーという共通フォーマットにおける企画だから、国が違ってもその面白さを「スムーズにわかる」のだと思います。

Club Deportivo Municipalの「The Thousand Sponsors of Muni」 (Entertainment Lions For Sportグランプリなど)。大口スポンサーの獲得に苦心していたペルーのサッカークラブ「ムニ」(愛称)が、ユニフォーム上に1000枠を用意し、小口スポンサーを募った。

スポーツコミュニケーションはこれまで、スタジアム看板やゼッケンなどを活用するスペースブローカー的な施策が多かったように思います。逆に言えば、クリエイティブ的にはまだまだ未開拓。SNS時代にリアルタイムコンテンツであるスポーツの魅力が高まるいま、スポーツの場をつかったコミュニケーションや新しい協賛システムの開発が今後の最重要領域になると感じました。

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