「類似品 うちじゃないのに 苦情くる」 “そっくり商品”と闘い続けるアイラップ、全国から消えかけた過去も マッキー、LIXILにも広がる“本家の悩み”

「類似品 うちじゃないのに 苦情くる」 (ポリ袋 心の俳句)

8月19日の「俳句の日」、岩谷マテリアルが展開する耐熱ポリ袋「アイラップ」の公式Xが、こんな一句を投稿した。

企業公式アカウントらしいユーモラスな投稿にも見えるが、詠まれた内容は同社が以前から抱えてきた切実な問題だ。アイラップに似た印象の商品を正規品だと思って購入するケースがあり、その商品について岩谷マテリアルに問い合わせが寄せられることもあるという。

同社は以前から類似品について繰り返し発信している。2024年12月には、類似品に関する問い合わせが増えているとして公式に注意喚起。2025年9月には「歴史は繰り返す」と、かつて類似品との価格競争によって全国の売場から縮小した歴史にも言及。今年7月には「この色と形で認識している人を狙った、類似品が増えている」と改めて警鐘を鳴らしていた。

なぜ、他社の商品への不満まで「アイラップ」に届くのか。背景には、一度は全国の売場から姿を消しかけながら、半世紀にわたって守り、再び育ててきたブランドの歴史がある。

写真 耐熱ポリ袋「アイラップ」

耐熱ポリ袋「アイラップ」

一度は全国の売場から遠ざかったアイラップ

アイラップは1976年、日本初の家庭向け箱入りポリ袋として発売された。発売当初は大きな反響を得た一方、その後は類似品や海外品との価格競争に巻き込まれ、一部地域を除いて全国の売場から姿を消していった。

それでも、新潟、山形、富山、石川、福井といった日本海側では、長年愛用してきた顧客や販売店に支えられ、販売を続けてきた。

転機のひとつとなったのが2018年の公式SNSアカウント開設だ。食品保存だけでなく、時短調理や防災時の活用方法などを発信。ユーザーによる投稿やメディアでの紹介も重なり、再び全国的に認知を広げていった。

同社のデジタルコミュニケーション部長の坂本英明氏は「一度は全国的な売場から遠ざかったブランドを、ユーザーの皆さまの声、販売店様のご協力、メディアでの紹介、そして日々の情報発信を通じて、少しずつ立て直してきたという思いがある」と話す。

だからこそ、似た印象の商品が正規品と誤認される現状には、複雑な思いがある。同社には実際に問い合わせが寄せられているほか、SNS上でも「アイラップだと思って購入したら違った」といった投稿を目にすることがあるという。坂本部長は「長年かけて守り、育て直してきたブランドだからこそ、そのような声を見ると本当に胸が痛む」としている。

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