「食べられない食品」が売り場を彩る MoMA、フェイクフードポップアップでSNS反響が過去最高に

本記事は月刊『販促会議』2026年9月号に掲載されている、最新の販促アイデア、テクニックを一挙紹介する連載「Idea&Techniques」の転載記事です。本連載の他記事は、月刊『販促会議』2026年9月号、もしくは「販促会議デジタルマガジン」にてお読みいただけます。

ロフトが日本での運営を手掛けるニューヨーク近代美術館(MoMA)のミュージアムストア・MoMA Design Storeは6月1日から、各店舗およびオンラインストアで「MoMA Mart A Faux-Food Pop-Up」を開催。食べ物のかたちやイメージからインスパイアされたフェイクフードアイテムを多数ラインアップし、スーパーマーケットさながらの商品陳列で販売を行った。

実店舗で「MoMA Mart A Faux-Food Pop-Up」を開催する様子。スーパーマーケットの商品陳列をイメージしてディスプレイした。当企画は本国のMoMAでも大きな成果を上げ、その反響を受けて、本国のMoMAでは同テーマの商品構成をアップデートさせて、店頭展開を継続するという。

MoMAは、フェイクフードを題材とした作品をコレクションとして収蔵してきた歴史がある。当企画は本国のMoMAが今年1月から実施しているイベントを、日本のMoMAデザインストアでも開催したもの。本物そっくりでも、実際には食べられない「フェイクフード」のデザインがもたらすユーモアや遊び心を通して、楽しい気分やリラックスできる感覚に注目した。

商品はすでに市場にあるものをMoMAの視点で編集。売り場の世界観や話題性によって興味喚起し、購買につなげることを目指した。特にこだわったのは、売り場全体の視覚的な楽しさと発見性。一見すると商品には見えないユニークなパッケージのアイテムを多く取り入れた。さらに、スーパーマーケットのようなディスプレイと組み合わせることで、思わず手に取りたくなるような売り場づくりを意識した。

商品ラインアップについても、商品そのものだけでなく、陳列した際の見え方や遊び心も重視しながら構成。本国のMoMAの売り場構成にできるだけ近づけることを目標にした。同様の商品群を揃えるには既存のラインアップだけでは難しい部分もあったが、国内での調達にも目を向けて商品展開の幅を広げることで、MoMAらしい世界観を保ちながら売り場を充実させることができたという。

上段左から、クロワッサンにそっくりの「Croissant ポータブルランプ」「ラーメンスティッキーメモパッド」。下段左から「Yup ホットソースポーチ」と「Solar Eclipse ヘアクリップ Sardines」。

SNSでは、キャッチーな企画コンセプトによって大きな話題をつくることに成功し、反応数は過去最高を記録。既存フォロワーではないユーザーの閲覧を大きく伸ばし、新規フォロワーも多数獲得した。

「結果的に、ブランド認知の拡大に大きく貢献した企画となりました。見ているだけでも楽しくなる」という声が聞かれ、「フェイクフードのデザインを通じて、まさに楽しい気分やリラックスできる感覚に触れてもらえたことを実感しています」と、MoMA事業部広報・PRの田名網誓子氏は語る。

SNSでも、「おもしろそう」「イベントに行きたい」といったコメントが寄せられた。また、MoMA Design Storeはインバウンド需要も高く、海外からの訪日客にはお土産やギフトとして喜ばれているという。今後は、当企画のコンセプトや商品鮮度を維持しながら、売り場で常設展開できるよう取り組んでいく予定だ。

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