テクノロジーの進化や働き方の多様化など、人材・組織を取り巻く環境はかつてないスピードで変化しています。本連載では、そうした変化の実態をデータで読み解き、これからの人材マネジメントのヒントを探っていきます。前回は、若手の離職理由が「待遇」から「能力を発揮できるか」「キャリアが描けるか」といった内発的な問いへシフトしつつあることをお伝えしました。では、その変化はいつから始まるのでしょうか。今回は、新入社員段階での価値観と不安に着目し、採用・育成の入口で企業が何を理解し、どう対応すべきかを探ります。
「ルール・マナーの習得」が過去最高の53.6%――何が変わったのか
リクルートマネジメントソリューションズが2026年度の新入社員を対象に実施した意識調査では、働くうえで大切にしたいことについて尋ねました(図表1)。
トップは「社会人としてのルール・マナーを身につけること」で53.6%、3年連続のトップで、過半数の人が選択しています。新入社員が社会人としての基礎を身につけることに、かつてないほど高い関心を寄せていることが分かります。
次点は「仕事に必要なスキル・知識を身につけること」(42.2%)で、上位2項目で新入社員の関心が「基礎」と「スキル」に集中していることが見て取れます。その次は「任せられた仕事を責任を持って進めること」(36.9%)です。
一方で、下位に目を向けると興味深い傾向が浮かび上がります。「周囲(職場・顧客)との良好な関係を築くこと」は32.9%、「何があってもあきらめずにやりきること」は13.3%、と過去最低値となりました。また「会社の文化・風土を尊重すること」はわずか3.1%にとどまっており、これは調査項目の中で最下位です。
さらに注目すべきは、「新しい発想や行動で、職場に刺激を与えること」(13.0%)も比較的低い数字にとどまっている一方で、「失敗を恐れずにどんどん挑戦すること」(34.3%)は調査開始以来の最高値となった点です。
出典:リクルートマネジメントソリューションズ「新入社員意識調査2026」
