前回の記事「隣の人の“アイデアの発火”をトレースする方法 – Spark Shadowing(前編)」はこちら
Shadowingは「間違っていたほうが良い」
面白いことに、この仮説が正解かどうかは、さほど重要ではない。むしろ、間違っていた方がお得である。間違っていた場合、恐らくロダンさん自身から正解が聞けるだろう。
これを正当な「ロダンさん思考法」と呼ぶならば、先ほど不正解となってしまった自らの仮説は自分なりの「ロダンさん的思考」という別の作法として依然活用可能だ。一回のShadowingにより、二つの思考法が手に入ったことになる。
ここからも連想できるように、自らの発想をShadowingすることも有意義だ。多くの人は、自分自身の発想プロセスについて無自覚である。たまた良いアイデアが発想されたときに、それと同じ作法を再現できるようにできるか。
他者の思考のshadowingは、トレーニングを通じて比較的すぐにできるようになる。いわば初級編である。発展編、もしくは上級編として挑戦してほしいのが、この「自分自身の無意識的な発想のshadowingを行う」訓練だ。
例えばそれにより、自分の発想プロセスを人に伝えることもできるようになる。さらに、普段の発想バイアスを客観的に捉え、あえて思考モード、思考OSを切り替える、ということが可能になる。自他の思考をメタに捉え、それを意識的にコントロールするのだ。今日は意図的に普段と逆の手順で発想しよう、この会議が終わるまでは役員の立場になって思考しよう…などなど。
「偶然」の発想を「必然」に変える
まとめて換言しよう。Spark Shadowingは、自他の無意識的な思考作法をなぞる行為だ。「発想のリバースエンジニアリング」の作法と言うこともできる。普通無意識的な思考回路を意識的にトレースすることで、再現可能な「型」を作る。
発想は、一見コントロール不可能な「偶然」に支配されたブラックボックスだ。これを敢えて再現可能な「必然」に置き換えることができないか、という試みだ。
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