なぜ東京の新製品発表会に、遠方から会社を休んでまでファンが来てくれるのか
仲山進也氏(以下、仲山) 井手さんは、ネットショップのお得意さん向けに東京で新製品発表会を開催したところ、なんと岩手や大阪からも参加がありました。
井手直行氏(以下、井手) 「よなよなリアルエール」という新製品の発表会です。定期購入してくれている方や、過去にイベント参加してくれた方にご案内しました。40名の定員があっという間に埋まったんです。
仲山:私もご招待いただきましたが、いわゆる普通の「オフ会」とはかなり違う感じの進行でした。井手さんがいきなり「これから会社の理念をお話しします!」と言って。
井手:会社説明会のような感じでやりました。「当社のミッション」なんてスライドを出して「ビールに味を! 人生に幸せを」という想いをお伝えしたり、商品の開発ストーリーのムービーを流したりしました。
仲山:「賞味期限は3週間」というスライドが出たときに、お客さんたちが「おぉ〜」っとどよめいていたのが印象的でした。という理由は……
井手:大手メーカーさんのビールって、常温で9ヶ月くらいは大丈夫なんです。でも、「よなよなリアルエール」は要冷蔵で3週間。それを話したら、お客さんが「生きてる!」ってどよめいてくれた。実は前日にマスコミ向けの発表会をやった時は、何の反応もなかったんです。「3週間です!」ってちょっとドヤ顔で言ったのに(笑)。
仲山:「商品の価値を理解してくれるお客さん」に囲まれて商売できるというのは、とても幸せなことだというのを実感しました。お店にとってもお客さんにとっても幸せな空間でした。
井手:遠くから来てくださった人の中には、翌日の会社を休んだ人もいました。そこまでしてわざわざ集まってくださったんだと知って、本当にうれしかったです。
仲山:お客さんというより、「価値観を共有した仲間」だと思いました。
あのお店はなぜ消耗戦を抜け出せたのか
本コラムが、大幅加筆修正で書籍化決定!EC業界だけでなく、消耗戦を抜け出すための具体的な方法と、そうしたことを実践している12の事例を紹介します。
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