昨年比226%を実現、制汗剤市場で新カテゴリーを創出したライオンの戦略

講演者

  • 永井 隆志(ライオン株式会社 ヘルス&ホームケア事業本部 ビューティケア事業部長)
「宣伝会議サミット/デジタルマーケティング・フォーラム2014」が11月19日、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて開催された。企業内でCMOの役割を担う事業責任者が、生活者と良好な関係を構築するための戦略・方針をテーマに話した講演の一部をレポートとして紹介する。

市場変化を見極め、ターゲット変更を行う

制汗剤の使用にはニオイ予防や汗抑制という他人に対する「予防ニーズ」と、汗ベタ解消という自分に対する「対処ニーズ」の2大ニーズが存在します。制汗剤市場は、1990年代までは清涼感(対処ニーズ)、2001年から2005年頃まではニオイ予防(予防ニーズ)を切り口とした商品が多く展開されてきました。しかし、近年はこの両方のニーズを同時に満たしたいという生活者が多くなっています。

また、商品タイプ別の売上成長率を見ると、シートタイプやパウダースプレータイプに比べてスティックやロールオンタイプが2003年からの10年間で289%と圧倒的な成長率を見せており、その直塗り剤型の中でも特に高機能タイプが直塗り剤全体売上の60%を占めていることもわかりました。

当社は2011年から「Ban」を「大人女子向け」商品と位置付けていましたが、このような市場を踏まえて重点育成剤型をスプレータイプからロールオンタイプへと変更し、20代~30代の有職者女性をターゲットにした商品開発を進めました。

次ページ 「「汗ジミ」をキーワードとした新カテゴリー創出」へ続く

「汗ジミ」をキーワードとした新カテゴリー創出

永井 隆志氏(ライオン株式会社 ヘルス&ホームケア事業本部 ビューティケア事業部長)

従来の制汗剤は、嗅覚に訴求するニオイ予防や触覚に訴求するサラサラ感を提供するものでしたが、新商品開発のキーワードは視覚を訴求する「汗ジミ抑制」でした。

続きを読むには無料会員登録が必要です。

残り 1003 / 1514 文字

KAIGI IDにログインすると、すべての記事が無料で読み放題となります。

登録に必要な情報は簡単な5項目のみとなります

「AdverTimes. (アドタイ)」の記事はすべて無料です

会員登録により、興味に合った記事や情報をお届けします

宣伝会議サミット デジタルマーケティング・フォーラム2014
宣伝会議サミット デジタルマーケティング・フォーラム2014
宣伝会議サミット デジタルマーケティング・フォーラム2014
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

このコラムを読んだ方におススメのコラム

    タイアップ