博報堂DYホールディングスの戦略事業組織「kyu」は3日、独立系デジタルクリエイティブエージェンシー「Digital Kitchen(デジタルキッチン)」の株式を100%取得し、完全子会社化したと発表した。買収金額は明らかにされていない。
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1995年に設立され、米シアトルに本拠地を置くデジタルキッチン。デジタルコンテンツ制作およびブランド体験創出に特化しており、コンテンツによるエンゲージメント獲得、オウンドメディアの開発、ブランド体験環境の創出などを手掛けてきた。AT&T、BOSE、マイクロソフト、ボーイングといった数多くのグローバル企業のコンテンツ戦略パートナーを務め、カンヌライオンズ2011 デザイン部門では、ザ・コスモポリタン・オブ・ラスベガスの館内インスタレーションでグランプリを受賞。そのほか、エミー賞、ワンショー、クリオ賞など多くのクリエイティブアワードの受賞歴を持つ。
デジタルキッチンは今後、kyu傘下で基本的には独立したクリエイティブエージェンシーとして運営していく。現経営陣のポール・マテウス会長、ドン・マクニール社長、ビル・フリッチCEOは続投し、取締役としてkyuのマイケル・バーキンCEOと A.J. ヒューズCFOが参画する。
博報堂DYホールディングスは、エージェンシーホールディングカンパニーとしては世界第8位の規模で、2014年の売上高は19億ドル(米アドエイジ誌 エージェンシーレポート)。
対するデジタルキッチンの2014年売上高は1920万ドル(約20億1300万円、同誌データセンター)で、今回の買収が博報堂グループに与えるインパクトは、現時点では大きいとは言えない。
昨年子会社化した2社についても同様のことが言えるが、kyuのバーキンCEOは同誌に対して「デジタルキッチンは、これまで数々のユニークな施策を手掛けてきた。戦略アドバイザーとコンテンツメーカーという2つの機能を併せ持ち、クライアントのブランド構築を支援している。
このスキルは、同社がエンターテインメントおよびコンテンツマーケティングの2領域における経験と、『考えたことをプロデュースし、具現化する』という同社のDNAによって培われたもの。同社がkyuの中心的パートナーとなってくれることを期待している」(6月2日「Hakuhodo DY Holdings Acquires Digital Kitchen」)とコメントを寄せ、博報堂グループのグローバル戦略においてデジタルキッチンが担う役割を高く評価している。
博報堂DYホールディングスの中期経営計画における重点項目の一つ「“専門性”と“先進性”の継続的な取り込み」を実現することを目的に昨年5月に組成されたkyu。専門的で先進的、かつユニークなマーケティング手法やソリューションを提供する「専門マーケティングサービス企業」を同社グループに取り込むことをミッションとし、主に北米・欧州を対象エリアとしたM&Aを展開している。
kyu名義で買収した企業は、昨年5月に発表された米SYPartners社、米Red Peak Group社に続き、今回で3社目となった。
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