前回の追憶はこちら
連載第3回目は田辺さんの9月14日~24日を追憶。コピーを考える、生み出すということ以上に重要な、“確固たる判断軸を持つ”ための話です。
こんにちは。田辺ひゃくいち(@tanabe101)です。
わたしは「予定を組む」ということが、どうも苦手です。未来がすでに決まっているなんて、おもしろくないじゃないですか。友達と飲みにいくときも、その日の夕方に「このあと、飲みにいく?」くらいでちょうどいいんですよね。「来週の何曜日の何時にどこどこで飲もう」とかになっちゃうと、どうもソワソワして行きたくなくなってしまう。そんな、どうしようもない人間なのです。
前回の合田さんのコラムの末尾にも「次回の追憶!」と題して、「“書かない”こと」「“出さない”こと」という今回のコラムの予告が示されていたかと思いますが、実はその前にひとつ、書いておかなければいけないことがあるのに気づきました。まあ、長々と書いてきましたが、要は話を一つすっぽ抜かしてしまったことへの言い訳です。ごめんなさい。
「これが自分なのだ」というものはぶち壊す
何かを表現しようとするとき。自分のことは自分が一番よく知っている。まずは、そんな自己愛の塊のような過信から抜け出すことが大切なのではないか。それが今回、書いておきたかったお話です。
もし「これが自分なのだ」というものがあれば、どんどん挫折してぶち壊してみるのがいいのではないかと思います。自分というものが見えなくなって、どっちへ進んだらいいのかも迷うようになるまで。
そこまで自分のことがよく分からなくなれば、友人、ライバル、先輩、後輩、師匠、恋人、伴侶などなど、どのようなカタチであれ、「自分のことを自分よりも知ってくれている」と思える大切な人がきっと見つかるはずです。
わたしは10年10職・20代2倒産という恥ずべき日々を送るなかでさすがに神のことを恨みもしましたが、くだらないプライドのようなものをことごとく粉々にしてくれたこと。そして、自分よりも自分のことを知ってくれていると思えるパートナーに出会えたことは心から感謝しています。
というのも、わたしは、自分自身の表現で深く迷ってしまったときには、前回のわたしのコラムでも触れましたが、コトバにまったく興味のない奥さんに見せ、意見をもらうようにしているのです。コトバに関心のない彼女がどう思うか。自分のことを自分よりも知ってくれている彼女がどう思うか。これほど信頼できる判断軸は、他に見当たらないと感じています。
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