アイ・エム・ジェイ(IMJ)の株式の過半を取得することで同社と合意したアクセンチュアの江川昌史社長は、このほど宣伝会議のインタビューに応じ、欧米を中心に広がるコンサルティング会社とデジタルエージェンシーとの協業の動きについて、世界的にデジタルを取り込んだ経営戦略が今後主流になっていく中では「必然」との考えを示した。またその狙いについて「“end to end”でお客さまの変革を支援するため」としており、IMJの株式過半取得の合意でその流れを加速させていきたいと強調した。
アクセンチュアは近年、世界中でデジタルマーケティング領域の体制強化を進めている。デジタルマーケティングを担う組織「アクセンチュア インタラクティブ」が主導し、2013年には英Fjord社、米Acquity Group社をはじめ、2015年にはブラジル、香港、スウェーデン、オーストラリアなどで現地のデジタルエージェンシーを傘下に収めた。
IMJの株式過半取得の合意は4月5日に発表した。具体的な協業のあり方はこれから協議していく。アクセンチュアのこれまでの協業事例では、相手方企業のブランド名やカルチャーを残すケースが多いという。
江川社長はまた、今回の合意によって、「両社が得意とする分野で、長年にわたり国内外で培ってきた先端の知見を融合していくこともつながる」としている。一方で、広告会社のビジネスとの競合関係が進むのかとの質問には「我々は経営改革、事業改革の一環としてデジタル戦略を支援している。既存の広告ビジネスを侵食するとは全く考えていない」と述べた。
IMJの竹内真二・代表取締役兼CEOは、「当社はデジタルマーケティングにおいて、お客さまのあらゆる課題に対応できる企業になるというビジョンを描いてきた。今回の合意によって、その目標に大きく近づくことができる」との考えを示した。両社の協業は「日本のデジタルマーケティングの最先端を行くものになる。スタッフにとっても成長の機会になるはずだ」と期待を込めた。
アクセンチュアの江川昌史社長、アクセンチュア インタラクティブ統括の黒川順一郎マネジング・ディレクター、IMJの竹内真二・代表取締役兼CEO、加藤圭介・取締役COOのインタビュー記事を発売中の『宣伝会議』6月号に掲載しています。
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