近未来のメディアでは、「編集部」が姿を消すかもしれない

【前回の記事】「Facebookはメディアではない?テクノロジーとメディアは文化的に相容れぬのか」はこちら

画像提供:shutterstock

「分散型メディア」、「ストリーミング(ライブ)メディア」、そして「ボットメディア」など、今年もまたテクノロジーとメディアをめぐるホットなキーワードが取り沙汰されてきた。では、こうしたホットなテクノロジーが、メディアに関わる多くの人々、特にジャーナリストの職能や仕事のあり方をどう変化させていくのだろうか。

筆者がいま着目するのは、次のような変化だ。

(1)メディアづくりとその運営は、ソフトウェアなどのような「プロダクト」の開発と運営に近づく。
(2)ジャーナリストの職能は「記者」「編集者」などから、テクノロジーを駆使し、データを活用するような分野まで広がっていく。
(3)分散型メディアが現実的になるにつれ、編集部もまた「分散型モデル」へと変身していく

筆者は、この9月にアメリカで行われた世界最大規模のオンラインジャーナリズムに関する非営利団体「オンラインニュース・アソシエーション(ONA)」の年次総会「ONA16」に参加した。今回は、そこで筆者が触れた動きを通じて、上記の論点を説明していきたいと思う。

ONA16は、「世界最大規模」というだけに、2400人にも及ぶジャーナリスト、メディア経営者、エンジニアらが一堂に会するイベントだ。100近い講演、パネルディスカッション、そしてパーティなどが開催され、まさに熱気あふれる3日間だった。

特徴は、メディア、特にジャーナリズムに携わる人々であれば、我われスマートニュースのようなソフトウェア開発事業者もいれば、新聞社はもとより、放送、雑誌から、地域で活動するブロガーにいたるまで、ジャンルや立場を問わないことだ。これらの人々が、会期中、広い会場のいたるところで意見を交わす姿を多く見かけた。

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藤村 厚夫(スマートニュース)
藤村 厚夫(スマートニュース)

90年代を、アスキー(当時)で書籍および雑誌編集者、および日本アイ・ビー・エムでコラボレーションソフトウェアのマーケティング責任者として過ごす。

2000年に技術者向けオンラインメディア「@IT」を立ち上げるべく、アットマーク・アイティを創業。2005年に合併を通じてアイティメディアの代表取締役会長として、2000年代をデジタルメディアの経営者として過ごす。

2011年に同社退任以後は、モバイルテクノロジーを軸とするデジタルメディア基盤技術と新たなメディアビジネスのあり方を模索中。2013年より現職にて「SmartNews(スマートニュース)」のメディア事業開発を担当。

藤村 厚夫(スマートニュース)

90年代を、アスキー(当時)で書籍および雑誌編集者、および日本アイ・ビー・エムでコラボレーションソフトウェアのマーケティング責任者として過ごす。

2000年に技術者向けオンラインメディア「@IT」を立ち上げるべく、アットマーク・アイティを創業。2005年に合併を通じてアイティメディアの代表取締役会長として、2000年代をデジタルメディアの経営者として過ごす。

2011年に同社退任以後は、モバイルテクノロジーを軸とするデジタルメディア基盤技術と新たなメディアビジネスのあり方を模索中。2013年より現職にて「SmartNews(スマートニュース)」のメディア事業開発を担当。

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