【前回の記事】「Facebookはメディアではない?テクノロジーとメディアは文化的に相容れぬのか」はこちら
「分散型メディア」、「ストリーミング(ライブ)メディア」、そして「ボットメディア」など、今年もまたテクノロジーとメディアをめぐるホットなキーワードが取り沙汰されてきた。では、こうしたホットなテクノロジーが、メディアに関わる多くの人々、特にジャーナリストの職能や仕事のあり方をどう変化させていくのだろうか。
筆者がいま着目するのは、次のような変化だ。
(1)メディアづくりとその運営は、ソフトウェアなどのような「プロダクト」の開発と運営に近づく。
(2)ジャーナリストの職能は「記者」「編集者」などから、テクノロジーを駆使し、データを活用するような分野まで広がっていく。
(3)分散型メディアが現実的になるにつれ、編集部もまた「分散型モデル」へと変身していく
(2)ジャーナリストの職能は「記者」「編集者」などから、テクノロジーを駆使し、データを活用するような分野まで広がっていく。
(3)分散型メディアが現実的になるにつれ、編集部もまた「分散型モデル」へと変身していく
筆者は、この9月にアメリカで行われた世界最大規模のオンラインジャーナリズムに関する非営利団体「オンラインニュース・アソシエーション(ONA)」の年次総会「ONA16」に参加した。今回は、そこで筆者が触れた動きを通じて、上記の論点を説明していきたいと思う。
ONA16は、「世界最大規模」というだけに、2400人にも及ぶジャーナリスト、メディア経営者、エンジニアらが一堂に会するイベントだ。100近い講演、パネルディスカッション、そしてパーティなどが開催され、まさに熱気あふれる3日間だった。
特徴は、メディア、特にジャーナリズムに携わる人々であれば、我われスマートニュースのようなソフトウェア開発事業者もいれば、新聞社はもとより、放送、雑誌から、地域で活動するブロガーにいたるまで、ジャンルや立場を問わないことだ。これらの人々が、会期中、広い会場のいたるところで意見を交わす姿を多く見かけた。
