既存顧客を「釣った魚」とみるか、企業に価値をもたらす「パートナー」とみるか

新規顧客と既存顧客どちらを大切にすべき?

前回のコラム

では、ワールドマーケティングサミットでのキッザニア創業者のロペス氏の講演から「人は読んだことの10%しか覚えてないが、体験したことの90%は忘れない」という話をご紹介しました。

今回は、ワールドマーケティングサミットでもう一つ印象に残ったエンゲージメントの効果測定についての講演をご紹介しましょう。

 

前回のコラム

でテーマにしたのは、100万人に表示するバナーと、2000人が参加するファンミーティングの価値を人数以外で比較することができないかという視点でした。同様の人数の問題は顧客へのコミュニケーション手法だけでなく、顧客自体の価値評価でも発生します。

つまり見込顧客100万人と既存顧客2000人は、マーケティング的にどちらに価値があるのか?という質問です。

議論する部署にもよると思いますが、一般的な大企業では、この議論は見込顧客100万人の方が勝つことが多いはずです。見込顧客100万人に広告を表示して新しい顧客を獲得できる可能性があるのであれば、既存顧客2000人をもてなすことにコストを掛けるよりも、売上が上がると感じる人が多いからです。

もちろん、そもそも論で言うと、この2つを比較すること自体が間違っています。新規顧客を獲得することも、既存顧客を大事にすることも、企業活動としてはどちらも非常に重要です。

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徳力基彦(アジャイルメディア・ネットワーク 取締役 CMO ブロガー)
徳力基彦(アジャイルメディア・ネットワーク 取締役 CMO ブロガー)

徳力基彦(とくりき・もとひこ)NTT等を経て、2006年にアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画。「アンバサダーを重視するアプローチ」をキーワードに、ソーシャルメディアの企業活用についての啓蒙活動を担当。書籍「アンバサダーマーケティング」においては解説を担当した。

徳力基彦(アジャイルメディア・ネットワーク 取締役 CMO ブロガー)

徳力基彦(とくりき・もとひこ)NTT等を経て、2006年にアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画。「アンバサダーを重視するアプローチ」をキーワードに、ソーシャルメディアの企業活用についての啓蒙活動を担当。書籍「アンバサダーマーケティング」においては解説を担当した。

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