國田圭作×磯部光毅「人間の習性や行動メカニズムを使って人を動かす『行動デザイン』とは?」

【前回コラム】「磯部光毅×寄藤文平「戦略プランナーとアートディレクターによる“戦略史”トーク」」はこちら

博報堂行動デザイン研究所所長である國田圭作氏が8月に上梓した『人を動かすマーケティングの新戦略 「行動デザイン」の教科書』(すばる舎)と、『手書きの戦略論 「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略』(宣伝会議刊)の著者 磯部光毅氏との対談がB&Bにて行われた。それぞれのマーケティング論やコミュニケーション戦略論を交えながら、2人のマーケターが「これからのマーケティング像」を語る。
左から、國田圭作氏、磯部光毅氏

「認知」や「理解」をショートカットしてダイレクトに行動を変えるマーケティング手法

國田:

行動デザインの本『人を動かすマーケティングの新戦略「行動デザイン」の教科書』を出すにあたり、いろんな参考図書を読む中で、磯部君が今年4月に出した『手書きの戦略論 「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略』がすごく面白くて。今日は、お互いに気づきを見つけながら、これからのマーケティングについて話をしたいと思います。

磯部:

國田さんは、僕が博報堂に入社した頃から大スーパースターだった憧れの先輩です。今「統合マーケティング」や「コミュニケーションデザイン」がもてはやされていますよね。いわゆる伝統的なクリエイティブ職種出身でない人が、コミュニケーション施策全体を仕切って活躍している例が増えていますが、博報堂のそういった流れの源流にいるのが、SP畑出身の國田さんです。今日は6本勝負で進めていきたいと思います。まずは、「行動デザインとは何ですか?これまでのマーケティングとどう違うのですか?」です。

國田:

いきなり核心からきましたね。行動デザインも、他のマーケティングも、山の登り方が違うだけで、ゴールは同じです。物が売れて、お客さまが増えて、収益が上がる。そこを目指す時に、「認知」や「理解」を通って行動に至らせるより、最初からダイレクトに人間のリアルな行動を作りだした方が近いのではないか、とショートカット発想で考えるのが行動デザインです。

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磯部 光毅
磯部 光毅

アカウントプラナー
1972年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、1997年博報堂入社。ストラテジックプランニング局を経て、制作局(コピーライター)に転属。2007年独立し、磯部光毅事務所設立。主な仕事に、サントリー「JIM BEAM」「ザ・プレミアムモルツ」「伊右衛門」「伊右衛門特茶」、トヨタ自動車「G's」、ダイハツ「タント」、コーセー、KDDI、Google、味の素、AGF、花王、ティファニー、ブリヂストン、三井不動産、カルビーなど。ブランドコミュニケーション戦略を核に、事業戦略、商品開発からエグゼキューション開発まで統合的にプランニングすることを得意とする。受賞歴にニューヨークフェスティバルズAME賞グランプリ、ACC CMフェスティバル ME賞メダリストなど。著書に『ブレイクスルー ひらめきはロジックから生まれる』(共著、宣伝会議、2013年)、『アジアマーケティングをここからはじめよう』(共著、PHP出版、2002年)、『ニッポンの境界線』(共著、ワニブックス、2007年)がある。

磯部 光毅

アカウントプラナー
1972年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、1997年博報堂入社。ストラテジックプランニング局を経て、制作局(コピーライター)に転属。2007年独立し、磯部光毅事務所設立。主な仕事に、サントリー「JIM BEAM」「ザ・プレミアムモルツ」「伊右衛門」「伊右衛門特茶」、トヨタ自動車「G's」、ダイハツ「タント」、コーセー、KDDI、Google、味の素、AGF、花王、ティファニー、ブリヂストン、三井不動産、カルビーなど。ブランドコミュニケーション戦略を核に、事業戦略、商品開発からエグゼキューション開発まで統合的にプランニングすることを得意とする。受賞歴にニューヨークフェスティバルズAME賞グランプリ、ACC CMフェスティバル ME賞メダリストなど。著書に『ブレイクスルー ひらめきはロジックから生まれる』(共著、宣伝会議、2013年)、『アジアマーケティングをここからはじめよう』(共著、PHP出版、2002年)、『ニッポンの境界線』(共著、ワニブックス、2007年)がある。

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