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「よそ者の視点で見れば、地域は発見の宝庫」田中淳一インタビュー

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【前回の記事】「『地方創生』は東京目線の言葉」菱川勢一インタビュー」はこちら

鳥取市や松山市の仕事など、地域活性化の仕事に多数携わってきたPOPSの田中淳一さん。地元の人には発見できない地域の魅力も、外から来たよそ者だから発見できるという。
(本記事は、『地域を変える、アイデアとクリエイティブ! 読本』記事を転載したものです)

POPS 田中淳一さん

地域の仕事をするために広告会社から独立

2014年にアサツー ディ・ケイから独立してPOPSを立ち上げました。アサツー ディ・ケイでは大手メーカーなどの大きなキャンペーンを多く担当しており、仕事は充実していたのですが、コンペ続き、徹夜続きの働き方にふと疑問を感じてしまったんです。「自分たちのしているこの仕事は、一体何に結びついているのだろう?」と。

そんな頃に海外広告賞の審査員をする機会があり、世界の事例を見て「コミュニケーションも社会の課題を解決する手段になるんだ」と気づきを得る機会がありました。その後3.11が起き、東北や自分の出身県の宮崎のような地元で一生懸命頑張っている人に対して、自分は一体何ができるのかと考えるようになったんです。

その後初めて手がけた地域クライアントの仕事が、2011年に手がけた今治の「七幅タオル」のアニメーションCMです。それまで自社から情報発信をしたことのなかった地場企業が初めて公開したアニメーションに、海外からも反響が届きました。クライアントもそこに大きな手応えを感じていて、自分がこういう場所で必要とされていると感じたんです。

 

この仕事がきっかけとなり、横のつながりで地域の仕事が広がっていきました。そして3年前に44歳で独立。今では、全体の約8割を地域の仕事(自治体、地域のクライアント)が占めるまでになっています。

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