今年で6回目を数える「JAAA若手大賞(広告業界の若手が選ぶ、コミュニケーション大賞)」。若手ならではのピュアな心とフラットな目線で、「いまの広告業界に提起すべき」内外の新しいコミュニケーション事例を発掘し、業界に投げかけることを目的に生まれた賞です。
審査員を務めるワーキンググループの主催で、10月11日にトークセッション「良いコミュニケーション、ってなんだろう。」が開かれました。電通の佐藤雄介さん、TBWA\HAKUHODOの梅田哲矢さん、写真家の佐藤麻優子さん、CINRAの竹中万季さんという、各方面で活躍する4名の方々のトークをお届けします。
これからはVtuber?4名の若手がいま注目している事例
—早速ですが、みなさんが最近特に気になったコミュニケーション事例は何ですか?竹中:
さまざまなメディアでも取り上げられていましたが、アメリカのカミソリブランド「Billie」の事例が気になりました。日本では、女性はムダ毛がないほうが美しいというコミュニケーションがほとんどだと思うんです。しかしこのCMでは「体毛は誰にでもあるし、人間はみんな毛が生えている」というのを前提に打ち出していて、剃っても剃らなくてもいいから、剃りたいときはBillieを使ってね、というコミュニケーションをしているんです。
このように、いろんな選択肢が与えられているというのは、弊社の運営する『She is』(女性の多様な生き方を探るウェブマガジン)のコミュニティを作る上でも考えていることです。私たちが大事にしている感覚にすごくフィットしている広告として挙げました。
梅田:
第5回(若手大賞)の大賞となった「注文を間違える料理店」の事例に近い考え方ですよね。「まず受け入れる」ということを前提にして考えていますから。このようなトンマナも、もしかしたら日本でも機能するかもしれませんよね。「日本ではどうしてできないんだろう」というバイアスのようなところからみんな入りますけど、実行に移していないだけで、実際は意外にやってみたらできることは多いかもしれません。
