プランナーが毎週集まる「キカクカイギ」
11月のある木曜日の夕方。デジタルを中心に手がけるクリエイティブエージェンシー、ラナエクストラクティブのメンバーが、会議室に続々集まってきた。今日は、毎週定例の社内会議「キカクカイギ」の開催日。この会議には、プランナーを中心にアカウントやデザイナーらが領域横断で参加している。互いに手がけた事例を共有し企画をフレームワーク化することで、会社全体のプランニング力を高めることを目的に、4カ月前から開催されている。
これまでフレームワークの収集を中心に実施されてきたが、今日はその中間レビュー。クライアントが抱える“もやもや”(課題)に対して、どんな切り口の企画が有効なのか明らかにすることがテーマだ。「まず、よくあるクライアントの“もやもや”を1人5個以上出そう。制限時間は5分。では、スタート!」と同社 シニアプランナーの魚住勇太さんが呼びかける。メンバー5人は、真剣な表情で一斉に手元のポスト・イット® ノートに書き出した。
5分後、各メンバーの手元にはさまざまなタイプの“もやもや”が。「次は、これを似たもの同士でグルーピングしてみよう。その時に、それをまとめるような一言を黄色いポスト・イットでつけてみて」と魚住さん。
メンバーは「SNS」「社内」「リソース」「何か新しいこと」などに大きく仕分けした後、壁にポスト・イット®イーゼルパッドを貼り、皆で見ながらさらに議論を進めた。「今出たグループを、さらに2、3 に細分化してみよう」「もっとキャッチーな言葉はない?ピンクのポスト・イットでつけ直してみよう」などと話しながら、クライアントのよくある“もやもや”は最終的に5つのグループに集約された。
続けて、「次は過去にあった印象深い企画(手法)を黄緑のポスト・イットに書き出してみて」と魚住さんから指令が飛ぶ。その後“もやもや” 1つにつき1枚のポスト・イット®イーゼルパッドを壁に貼り、それぞれの解決策として対応しそうな企画のポスト・イット®ノートを貼っていった。集まった企画案を分類すると、“もやもや” とそれに対する打ち手がある程度見えてきた。
ここまでで約1時間が経過。キカクカイギは1時間で実施する決まりのため「今日はここまで。次回以降これをまとめよう」と魚住さん。「思った以上に体系化できてよかった。これまで皆がなんとなく感じていたことを、共有して語るための語彙ができたのが収穫だった」と振り返った。
チームで知見を共有し思考を整理するツールになる
現場で参加していたメンバーは、会議にポスト・イット®製品を導入してどう感じたのか。
「元々キカクカイギは企画のフレームワークを社内のプランナー同士が共有し、企画自体の質を強化するために始めたものです。これまでさまざまなタイプの企画書を収集、共有してきましたが、今日それを一気に整理したことで、この会議で今後やるべきことが見えてきました。それが成果だったと思います」と、この会議の立ち上げメンバーである同社 アカウントディレクター 湯浅祐佳さんは話す。最近プランナーに転向したというキカクカイギメンバーの大段直也さんは、「いま会社で扱っている案件を一気に可視化して俯瞰で見ることができ、さまざまな発見がありました」と話す。
課題に対する切り口の作り方に困った時、解決の糸口を見つける社内アーカイブに育てられる可能性を感じたという。
事例の整理だけではなく、「共通言語をつくり、チームで思考を整理するのに使える」と湯浅さんは話す。「抽象的なテーマの時ほど合っているのではないでしょうか。口頭で話してお互い腑に落ちたと感じたのに、実際の企画書に落とし込んだら認識がずれていた…という体験がたまにありますが、今日のように1つひとつ概念を言語化し、細かく整理する作業を一緒にすることで、すれ違いがなくなりそうです。それに、議事録やログ代わりにもなりますね。
議事録は議事録担当が発言をまとめていくものですが、イーゼルパッドを使えば、出た意見やアイデア同士のつながりをその場で可視化することができます。チームで思考を整理し、共有知にしていくのに適したツールだと思います」。次回以降のキカクカイギはもちろん、他の会議やワークショップでも試してみたいという。
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※ 3M、ポスト・イットは3M社の商標です
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TEL:0120-510-333(受付時間/平日9:00 ~ 17:00)
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