【前回コラム】「佐渡島庸平氏×天野彬氏 対談 『SNSは熱量からサステナビリティへ』 -コミュニティの本質を考える【前編】はこちら
企業にとって至上命題になったユニークユーザーの把握
天野:マーケティング全体の潮流としてもユニークユーザーを捉えることが、どんどん重要視されるようになってきていますね。データの扱いに関しても、CookieからIDへといわれるようになっているのは、断片的なものから統合的なものへ、顔の見えるユニークユーザーをどう把握するかという方向性の中から生まれてきた考え方だと思います。
佐渡島:実際、ユニークユーザーを捉えた企業だけが勝っています。ユニクロは典型ですが、原料調達から製造・販売、さらにアプリの開発まで自社で行っています。これにより、ユニークユーザーをしっかりと捉えることができている。いま苦しくなっている企業や業界を見ると、ユニークユーザーベースの顧客データを持っていないケースがほとんどです。
例えば、書店やスーパーマーケットなど小売店を通して商品を販売している出版社やメーカーなどは顧客データが手に入らず、苦しくなってきていますよね。
顧客データを把握してプッシュできる手段を持っていれば、たとえ店舗数を減らしても、そこに人を誘引して1店舗あたりの利益を上げるなどの施策を実施することができる。しかし顧客データを全く持っていない企業は店舗数を増やしたり、テレビCMを打つなどして、とにかく接点を持つところから投資しなければいけない。非常にコンバージョンが悪い投資をしながらのビジネスになってしまいますよね。
結局のところ顧客データまで全てを自社で管理することがビジネスの全てになっている。そして顧客データを持ちやすい接点のひとつがSNSなのだと思います。
「「シェアしたがる心理」のこれからを考える」バックナンバー
- 佐渡島庸平氏×天野彬氏 対談 「SNSは熱量からサステナビリティへ」-コミュニティの本質を考える【前編】(2019/11/29)
- TikTokはなぜ流行った? 3つの理由とテレビカルチャーとの連携の可能性(2018/12/27)
- SNS上での「自分推し」に注意:2つの人格「アダムⅠ」「アダムⅡ」についての考察(2018/11/15)
- ブロックチェーンが築く「シェアされる広告」の新たなかたち(2018/9/04)
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- 世界最先端の「顧客体験」ってどうなってるの?【前編】(2018/8/06)
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