【前回記事】「好奇心とイノベーション鼎談(ゲスト:平野啓一郎、坂之上洋子)」はこちら
コンセプターの坂井直樹さんが、将来を見通した展望を持つビジョナリーたちと対談した書籍『好奇心とイノベーション~常識を飛び越える人の考え方』(宣伝会議)の発刊を記念し、B&BにてHenge Inc.の廣田周作さん(『SHARED VISION』著者)との生配信トークイベントが行われました(5月27日)。激動の時代を迎え、既存の常識が通用しにくくなった現在、新しい日常をどのように前向きに過ごしていけばいいのか。本記事では、イベントの様子をレポートします。
一度も現地に行かず、リモートで高額発注できますか?
坂井直樹氏
廣田:
『好奇心とイノベーション』は、坂井さんが多様な方と対談した本ですが、僕はまずタイトルが魅力的だなと思いました。多くの企業でイノベーションを語るとき、利益を上げるためのイノベーションとか、技術分野でのイノベーションという文脈が多いと思うんですよ。なぜ好奇心という言葉をタイトルに選ばれたんでしょう。
坂井:
もともと僕自身、広範囲に好奇心を持っていて、世界中どこでも面白いことがあると、現場に行くタイプの人間です。僕から好奇心っていう言葉は生涯はずれないだろうと思います。好奇心はイノベーションのきっかけなんです。要するに好奇心って、他者があまり関心のないことに突っ込んでいって、普通の人とは違う体験をするということ。『シン・ニホン』の著者の安宅和人さんは、それを異人って言ってますね。
廣田:
偉い人じゃなくて、異なる人。
坂井:
はい。僕も異人だったんだなと。1960年代の後半、アメリカにひとりで行ってビジネスを始めるような人は、自分以外、僕の周りにはいませんでした。人と違う体験に意味があると思っています。
廣田:
坂井さんは、年齢的には大先輩なんですけど、精神年齢としてはむちゃくちゃ若い方だなと思っています。さて、本の中ではいろんな方と対談していますね。
