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『日本の歴史的広告クリエイティブ100選』岡田芳郎著
カンヌライオンズ、ONESHOW、D&AD、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSなど、国内外の広告賞は近年、カテゴリーの新設や再編が続いています。それは時代の変化ともに、広告のメディア、手法、表現などが多様化し、次々と変化を遂げているからに他なりません。しかし、どんなに時代が移り変わろうとも、広告をつくるのは「人」。
平賀源内が「本日、土用の丑の日」と書いて店頭に貼った江戸時代から現代にいたるまで、そこだけは変わっていないのです。そんな“クリエイター”たちがつくった、アイデアと発想力にあふれた100の広告を選んで解説したのが、『日本の歴史的広告 クリエイティブ100選』です。
著者は本書への作品掲載にあたり、広告という表現に見られる、販売目的を超えた「遊び」や「芸」のある広告を選んだそうです。新聞記事の上に習字で商品名を書いた壽屋の広告、新聞の表と裏を透かして見る料理酒利久の「透視広告」など、現代でも通じる普遍的なアイデアが満載。まさに広告の「古典」です。
「自分が生まれる前の広告なんて古くさい」と思う前に、一度本書を開いてみれば、いま悩んでいる、目の前の企画の大きなヒントになるかもしれません。文学や音楽、美術などあらゆる表現がそうであるように、「古典」から学べること、学ぶべきことはたくさんある――この本を読むと、そんな気持ちでいっぱいになります。
『広告は、社会を揺さぶった ボーヴォワールの娘たち』脇田直枝著
「いま、どのくらい『女の時代』なのかな。」——これは1980年に糸井重里さんが書いた西武流通グループの広告のキャッチフレーズです。本書が刊行された2015年、著者はこのコピーを改めて見たときに「いま使える広告じゃないか」と思ったといいます。
そのときから5年を経たいまでも、同じことが言えるのではないでしょうか。女性活躍、ワークライフ・バランス、ダイバーシティ、インクルーシブなど多様な言葉の中で女性は語られ、この課題に取り組む企業も増えていますが、日本におけるジェンダーギャップは解消されたとは言い難いのが現状です。

