生産量No.1を地域活性に活かせるか!? 地元住民が自慢できる食材へ

【前回】「選ばれる地域になる方法~移住促進は逆転の発想で地元の“縁”者を狙え!」はこちら

今回は、本コラムのコンセプトである「Brand Focus, Market Wide(ブランドの物語を濃縮すれば、市場は世界にだって広がる!)」のブランドのフォーカスの仕方、ブランド物語の濃縮の仕方に関する考察をしたい。

生産量と消費量は意外と一致しない!?

様々な農水産物や食べ物について、私たちは、「何となくこれはこの地域が有名だよね」「ここの特産品だな」などのイメージを持っている。図1をご覧いただきたい。誰もがその産地を知っている有名なものを避けて、農水産物や食べ物の生産地、消費地のランク1位を比較した表である。

図1 生産量と消費量(都道府県ランキング)比較表

出所/「地域の入れ物」から参照し筆者作成
注)「地域の入れ物」では「家計調査」「小売物価統計調査」「作物統計」などの政府発表の統計をベースに、都道府県ランキングを作成

これを見ていくと、豚肉やミカン、ぶどうのように「生産地=消費地」というものも一部にあり、我々のイメージとも一致するが、実は意外と「生産地≠消費地」のものが多いことが分かる。全く産地、消費地ともイメージが湧かない品目もあるが、概して消費地の方が、その産品とイメージが結びついているように思える。

逆に、生産1位の地域で、「え、そうなんだ、ここが日本一の生産地か?」と驚く地域がある。例えば、うなぎの鹿児島県、梨の千葉県、ごぼうの青森県などなど……(もちろん、かなり個人的見解であり、詳しい方には当たり前の情報かもしれないが、一般論として読んでいただきたい)。

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丸山 泰(熊本県立大学総合管理学部 教授 地域連携政策センター長マーケティングアナリスト)
丸山 泰(熊本県立大学総合管理学部 教授 地域連携政策センター長マーケティングアナリスト)

日用品メーカーであるライオンでマーケティング職に25年以上従事し、2013年から現職。リサーチャー、ブランドマネージャー、事業部長など様々な立場でのマーケティング経験を活かし、学生とともに地域の課題解決にマーケティング発想で取り組む。共著に、『マーケティング部管理者の仕事』(日本能率協会マネジメントセンター)、『地方創生への挑戦』(中央経済社)など。

丸山 泰(熊本県立大学総合管理学部 教授 地域連携政策センター長マーケティングアナリスト)

日用品メーカーであるライオンでマーケティング職に25年以上従事し、2013年から現職。リサーチャー、ブランドマネージャー、事業部長など様々な立場でのマーケティング経験を活かし、学生とともに地域の課題解決にマーケティング発想で取り組む。共著に、『マーケティング部管理者の仕事』(日本能率協会マネジメントセンター)、『地方創生への挑戦』(中央経済社)など。

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