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コラム

これからのマーケティングはクロスカルチャーだ! ―日本人マーケターが世界で価値を伝えるには?

「郷に入れば郷に従え!」外国人に情報を届けるためのデジタルマーケティング

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「虹の色は?」の問いに対する答えも国によって変わる

前回のコラムでは「日本語が母語のネットユーザーは世界全体の2.6% 日本企業が多言語で発信する際に注意すべきこととは?」をテーマに日本で活動している企業であっても多言語での発信が必要なこと、そして日本語を現地の言語に翻訳するだけではない様々な配慮が必要であることを解説しました。

今回はその延長で、外国人を対象としたWebサイトを開発する時に配慮するべきデザインについてお話したいと思います。

本コラムの4回目では、「螺旋型思考」と「直線型思考」の違いによって、言語の成り立ちや、人々の思考のクセ、文化形成が違うことについて触れました。そして、直線型思考の人間が多い英語圏市場に向けたクリエイティブ開発のコツについて解説しました。

例えば、「虹の色は?」と問われたときに、多くの日本人は7色と回答しますが、アメリカ人は6色、ドイツ人は5色であると回答する人が多いようです。色彩感覚が違うのは、文化的な背景や気候・風土的な理由もあれば、瞳の光受容体の性能の違いといった遺伝的な要因も含まれます。

「白」は日本では純粋や無垢、清潔などポジティブなイメージがある色ですが、海外では、病気や死体を示唆する不吉なイメージを持つ国もあります。あるいは、中国では赤が縁起が良いとされるのに対し、黒は縁起が悪い色のようです。先日チャイニーズニューイヤーのディナーに出席する機会があったのですが、「黒い服を避けて明るい色の服、できれば赤を着るように!」と黒いTシャツが好きな私に仲の良い中華系の知人が指摘してくれました。

思い返せば、2006年頃と随分前の話ではありますが、シカゴのレオバーネット本社に勤務していた際、あるアメリカの嗜好品ブランドの香港市場のプロジェクトを担当していた際にも、現地のクリエイティブディレクターからの指摘で「必ず赤と金色を用いる」なんてことが書かれていた事を思い出しました。何も知らずに、良いと思って広告クリエイティブを開発したら、その国ではネガティブな意味合いを持っていた…なんてことにならないように、各国に適した色彩を取り入れるカラーコントロールの視点は、広告ビジュアルやWebサイトのクリエイティブ開発のシーンで役立ちます。

 

次ページ 「カンボジア市場に向けた仕事 クメール語への翻訳以外に注意したことは?」へ続く