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コラム

世界の小売から。 オランダ在住クリエイティブディレクターと仲間たちが見つけた、小売の現場の消費トレンド

「ダイバーシティあふれる小売の未来」を、マレーシアと日本の事例から考えよう

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【前回コラム】「マレーシアで見つけたダイバーシティあふれる小売のアイデア5選+α」はこちら

(タイトルロゴ&イラスト制作:山野良介 チーフデザイナー@フェズ)

【マレーシア後編】ダイバーシティあふれる小売の未来

「世界の小売から」第3回前編では、マレーシアの小売から見えきたダイバーシティあふれる小売の現状について見てきました。本記事では後編として、マレーシアの小売の現地レポートの注目ポイントであった「ダイバーシティ(多様性)」というキーワードについて筆者(堤)が掘り下げてみたいと思います。

「小売×多様性」で生まれる可能性

ダイバーシティという言葉には、マレーシアの小売で見てきた人種・宗教の違いだけでなく、多くの概念を含んでいます。一般的には、性・障がい・年齢・人種など、特に日本では女性活躍推進などの視点で、ダイバーシティについては語られることが多いと思います。

このダイバーシティ視点は小売に掛け合わせると、まだまだ多くのサービスや業態が広げられるヒントが見えてきます。例えば、いわゆる一般的な日本の小売に、ダイバーシティの視点を組み合わせてみましょう。

例えば【宗教の多様性】をかけあわせると、イスラム教の女性が着るヒジャブなど、新しいジャンルの商品開発につなげることもできます。【性の多様性】に考えを巡らせれば、試着室を男性用・女性用と分けるだけなく、LQBTQなどに配慮した「多目的試着室」をつくるアイデアも考えられるでしょう。また【障がいの多様性】に配慮すれば、車椅子の人でも着やすくなるようなカスタマイズも可能になるかもしれません。【年齢の多様性】まで考えれば、高齢者にも優しい視認性の高いPOPを制作することも考えられます。

次ページ 「『ボディ・ポジティブ』に見る、ダイバーシティの概念の拡張」へ続く