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コラム

世界の小売から。 オランダ在住クリエイティブディレクターと仲間たちが見つけた、小売の現場の消費トレンド

「ダイバーシティあふれる小売の未来」を、マレーシアと日本の事例から考えよう

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多様性あふれる小売を実現するために、「サマサマ」の意識を持とう。

ちなみに私自身もオランダに移住する前は、マレーシアで2年ほど暮らしていました。そこでは私自身も自分がずっと日本で「常識」だと思っていたことが、単なる「偏見」のコレクションだったことに気づかされたことを覚えています。今コロナ禍でギスギスしている日本の状況を見ていて、伝えたい考え方があります。

それは「サマサマ」という言葉。マレー語では「トゥルマカシ(ありがとう)」に対しては、「サマサマ(お互いさま)」と答えます。

日本人は「人に迷惑をかけないように生きなさい」と教わります。だからお店での接客でも、日常生活でも、いつも「すみません」と謝り、迷惑をかけまいと逃げ場のないしんどい状況を自らつくり出してしまいます。

一方マレーシア人は「自分も人に迷惑かけているのだから、相手のこともお互い様と許しあう文化」です。そもそも自覚的にしろ、無自覚にしろ、人間は生まれてからずっと、親に、先生に、先輩に、上司に、同僚にと、周りにたくさんの迷惑をかけて生きてきた生き物です。

それならいっそ「サマサマ(お互い様)」の精神で、寛容に許しあって自由に生きていく方が楽しい日本になっていくような気がしませんか。そのためにも、ダイバーシティの視点を持ち、小売の現場からいろんなお互い様を認め合う社会をつくって行けたらと思います。

「『常識』とは、これまでの自分がつくり上げてきた「偏見」のコレクションでしかない」と言ったのはアインシュタインです。だったら、多様性に眠る可能性に光を当て、ダイバーシティの視点を胸に小売の現場から少しずつよい社会をつくっていきましょう。

マレーシア編(前編・後編)のまとめと解説

いかがだったでしょうか。今回は前編のマレーシアの小売の現場のレポートから多様性の視点を深堀し、後編では「多様性から生まれる新しい小売の可能性」を見てきました。また次回「世界の小売から」をお楽しみに。

注釈
*1 フォーエル ブランドステートメント