東京都は3月27日、アフィリエイト広告で不当表示を行っていたとして、健康食品の通販を手がけるヘルスアップ(千葉・柏)とニコリオ(東京・世田谷)の2社に措置命令を出した。いすれも複数のアフィリエイトサイトで顕著な痩身効果をうたっていたほか、ヘルスアップは〈「飲むだけで痩せる〉と国が認めた〉といった主旨を記載していた。
命令の対象となった商品は、ヘルスアップが「シボローカ」、ニコリオが「フラボス」。いずれも食事制限や運動をすることなく、短期間で簡単に痩せられるかのような表示を行っていた。
「シボローカ」「フラボス」共に機能性表示食品として受理されているが、表示は機能性を大きく越えていた。東京都の求めに応じて提出した資料は、表示の裏付けとなる根拠として認められなかった。
東京都に対し、ヘルスアップは不当表示の調査対象となった広告について「第三者のいたずらや迷惑行為の可能性がある」と回答し、表示責任について否定。しかし、都が関与した広告会社を特定して調査したところ、「ヘルスアップの回答が虚偽であることが判明した」という。
ニコリオは2020年3月にも、埼玉県からダイエットサプリメント「Lakubi(ラクビ)」で措置命令を受けており、今回で2回目。ヘルスアップは2019年から21年にかけて、適格消費者団体の消費者機構日本からの要請を受け、定期購入商品の購入回数や総額表示、解約時の条件や方法についての連絡先、案内などについて、改善を図った例もある。
機能性表示食品での不当表示は直近で、消費者庁が2023年11月27日付で、アリュールに措置命令を下した。同社は健康食品「スリムサポ」を機能性表示食品として届け出ていたが、広告の表現は、機能性から逸脱したものだった。痩身効果や体重減少などのほか、美白効果や抗アレルギー、デンタルケア、運動能力向上といった数多の効果を訴求していたほか、「消費者庁が認定した機能性表示食品」「国が痩せると認めたサプリ」などと、ネット通販用のランディングページなどで表示していた。同社は23年12月に破産手続きを開始している。
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