値上げの時代に「反骨」のPB イトーヨーカ堂の意地とは

新年度の春、だが、値上げの春でもある。物価高や世界情勢なども加わり、多くの企業が値上げを余儀なくされる一方、イトーヨーカ堂は、低価格プライベートブランド(PB)「セブン・ザ・プライス」の商品ラインアップを拡充し、2026年度中に前年度比約3割増となる約400品目規模まで拡大する。なぜこうした展開が可能なのか。消費者物価指数も上がる一方の中、同社は「お客様の毎日の暮らしを支え続けることを大切する」との反骨精神で突き進む。

消費者物価指数も価格も上昇

総務省統計局によると、今年2月の消費者物価指数の総合指数(生鮮食品などを含む)は、2020年を100とした場合112.2で、前年同月比で1.3%の上昇となった。特に、項目ごとに上昇率を見てみると、菓子類 8.1%、穀類 7.3%、調理食品 4.9%、外食 3.7%など、食料品の増加率が目立つ。

また、帝国データバンクのレポートによると、今年4月の飲食料品値上げは計2798品目に。食品分野別では、マヨネーズなどの調味料(1514品目)が最多で、特に原材料などモノ由来の値上げが多くを占めた。1ドル=160円にせまる円安傾向、中東地域の地政学的リスクやホルムズ海峡の混乱による原油供給の不安・価格上昇などのコスト増で、今年の後半にかけて値上げラッシュが再燃する可能性があると指摘されている。

イトーヨーカ堂のコスト削減の一例

イトーヨーカ堂のコスト削減の一例

品質はキープ 価格は安く

値上げの流れに逆らったマーケティングで挑むのが、イトーヨーカ堂だ。2026年度はお手頃が売りのPB「セブン・ザ・プライス」を強化し、アイテム数は前年度比30%増の計400品に拡大する予定。同社では、セブンプレミアムゴールド、セブンプレミアムと2つのPBを展開していたが、物価高が続く中で消費動向が「低価格・機能重視」と「高価格・高品質」と顕著に二極化したことから、「品質を担保しながら消費者に選択肢を」と考えて始めたのが、「セブン・ザ・プライス」だった。プライスを2022年度に導入して以降、既存店での売上は前年同期比で、2024年度に約200%、2025年度に約150%と伸長している。

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