デスクワーカーと現場で大きな満足度ギャップ 世界規模の社内コミュニケーション調査で判明

従業員コミュニケーションプラットフォームを提供するStaffbaseは、英国の調査会社YouGovと共同で実施した6カ国調査の結果を日本語で公開した。調査はオーストラリア、オーストリア、ドイツ、スイス、英国、米国の計3574人を対象に2025年2月に実施されたもので、社内コミュニケーションの実態とその影響を明らかにしている。

調査によると、社内コミュニケーションの質に対する満足度は、デスクワーカーが47%であるのに対し、現場従業員(非デスク従業員)は29%にとどまり、両者の間に大きな認識ギャップが存在することが分かった。現場従業員は店舗や工場、物流、医療、建設などで働くいわゆるフロントラインワーカーを指し、世界の労働者の約80%を占めるとされる。

こうしたギャップの背景には、情報の届き方や意思決定への関与実感の差がある。会社の変化の理由について「十分な情報を得られている」と感じている割合は、デスク従業員で25%、現場従業員では17%にとどまり、現場の2割は「情報が不足している」と感じている。また、「自分の意見が考慮されている」と感じる割合もデスク従業員52%に対し現場従業員39%と、意思決定との距離感にも差が見られた。

【調査概要】
調査名称:Employee Communication Impact Study 2025/実施主体:YouGov(Staffbase協力)/調査対象国:オーストラリア、オーストリア、ドイツ、スイス、英国、米国/回答者数:3574人/調査方法:オンライン調査/調査時期:2025年2月
※配信リリースを元にグラフを再構成しています。

メッセージの明確さが重要に

一方で、社内コミュニケーションの質は組織成果にも直結することが示された。経営陣によるコミュニケーションを「非常に明確」と感じている従業員の仕事満足度は89%に達し、「非常に不明確」と感じている層の25%と比較して約3.5倍の差が生じている。この結果は、トップからのメッセージの明確さが従業員の納得感やモチベーションに大きく影響することを示唆する。

さらに、コミュニケーション不足は離職意向とも関連する。転職を検討している従業員の63%が、理由の一つとして社内コミュニケーション不足を挙げており、エンゲージメント低下が離職の前段階で起きている可能性が指摘されている。

組織内のつながりの観点でも課題は顕在化している。従業員の10%が職場で孤独を「常に」または「頻繁に」感じており、「有意義なつながりを会社が非常にうまく育めている」と評価する割合は20%にとどまった。社内コミュニケーションは単なる情報伝達にとどまらず、関係性構築にも影響している実態がうかがえる。

また、課題は情報量の不足ではなく、「届いていないこと」にある点も明らかになった。勤務先からの情報配信頻度については約5割が「ちょうどよい」と回答する一方で、「少ない」と感じる層も2~3割存在し、量よりも質や届け方に問題があるとされる。

企業の事業推進力を左右

課題解決の方向性としては、「誰が伝えるか」「どのチャネルで伝えるか」の設計が重要とする。最も信頼される情報源は「直属の上司」である一方、従業員アプリを活用している企業ではアプリ経由の情報が最も信頼される傾向も確認された。

Staffbase日本代表の赤平百合氏は、「社内コミュニケーションにおける認識ギャップが、エンゲージメントや意思決定の質に大きく影響している」と指摘。「明確なコミュニケーションが仕事満足度を大きく引き上げる結果は、コミュニケーションが企業の事業推進力を左右する重要な経営課題であることを示している」とした。

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