フランス・カンヌで6月26日(現地時間)まで5日間にわたり開催された「カンヌライオンズ国際クリエイティビティフェスティバル2026」。最終日にはGlass: The Lion for Change部門、SDGs部門、Film部門、Titanium部門、そしてGrand Prix for Goodが発表された。各部門の受賞作を紹介する。
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※掲載順は広告主名/商品名「作品名」(企画制作社名)の順に記載。
Glass: The Lion for Change部門(応募数122点)
IDOMED & Instituto Yduqs「Nigrum Corpus」
(Artplan)
ブラジルにおける医療現場での黒人に対する人種差別を可視化し、“医師の卵”たちに「構造的な人種差別が診断・治療・ケアの現場でどのように作用しているか」を伝えるツールがグランプリを受賞した。
人口の55.5%が黒人または混血であるブラジルでは、黒人患者は医療ミスに遭う確率が最大6倍高く、診察時間が短い。その結果、診断が遅れて専門的な治療を受けられる機会が少ないなど、さまざまな側面から格差が生じているという。
そこで医学教育研究所のIDOMEDは医療における人種的偏見を“症状”へと変換した医学書『Nigrum Corpus』を制作。たとえば「白人基準診断症」(検査結果の用紙に「この分析は白人を対象とした研究に基づいています」と書かれていたケースがあった)、「黒人拒絶症」(手術の準備が決まっていた黒人の患者より、後から来た市長が優先された)といった“症状”がまとめられている。医療研究、病院のデータ、医学教育研究、そして680時間以上の患者の証言を分析することで、医療現場で繰り返し生じている人種差別のパターンを特定した。これまでに19の大学がこの本を導入し、1万1000人以上の医学生に影響を与えているという。
本作は2025年のカンヌライオンズでIndustry Craft部門のグランプリも受賞している。
Sustainable Development Goals部門(応募数289点)
Too Good「Paid Sick Leave for Cows」
(The Partnership Agency)
ケニアの乳製品・飲料ブランドの「Too Good」による、「Paid Sick Leave for Cows(牛の有給病気休暇)」と名付けられた酪農業者と乳牛のための仕組み。乳牛に抗生物質を投与すると、義務付けられている休薬期間のため、数日間は牛乳を販売できなくなる。そのため経済的な影響が大きく、汚染された牛乳の販売など、安全性を損なう行為に繋がりかねない。
そこでToo Goodは牛が回復するまでの間、農家が被った収入損失を補償することに。3~5日間の抗生物質休薬期間を対象としたシステムで、病気の報告や汚染された牛乳の隔離、そして食品安全規制の遵守を行うように促した。
審査委員長を務めたのは、Earth Centric Designのチーフ・クリエイティブ・オフィサー/CEOの佐藤カズー氏。「単なる認知を超えて、永続的な構造変革を生み出す、シンプルなアイデアが評価されました。一見トレードオフに見えるものを共有価値へと変え、人間、ビジネス、そして他の一角の生物(種)のすべてに利益をもたらしました。単一の課題を解決するだけでなく、クリエイティビティがどのようにしてより持続可能な未来を再設計できるかを示す、模倣可能なモデルを提示しています」とコメントしている。

