就活セクハラ対策義務化、企業が広げる“禁止事項” OB訪問アプリや個人LINEまで、オンライン面接では「全身を映して」も不適切

10月1日から、企業などの事業主に「求職者等に対するセクシュアルハラスメント」の防止措置が義務付けられた。

法施行に合わせ、採用現場のルールを明確化する企業も相次いでいる。リクルートホールディングスは社員による「OB・OG訪問マッチングサービス」の利用を禁止。NECでは個人のLINEなどによる学生とのやり取りや飲酒を禁止するなど、面談の時間や場所、連絡手段にまで踏み込んだ対策が進んでいる。

グラフィック 採用面接で「セクハラ発言」する面接官

採用面接で「セクハラ発言」する面接官(AIで生成)

その背景には、採用面接で今も不適切な発言が確認されている実態がある。オンライン面接をAIで解析した調査では、「カメラ越しに全身を映して」「彼氏とはどれくらい付き合っているの?」など、求職者の身体や私生活に踏み込む発言も検知されている。

対策義務、「面談場所」「SNS」までルール化

10月1日から「改正男女雇用機会均等法」に基づき、事業主には求職者等に対するセクハラ防止措置が義務付けられた。

対象となるのは通常の採用面接のほか、就職説明会、インターンシップ、企業に勤める社員を訪ねるOB・OG訪問なども含まれる。SNSなどオンラインを介したやり取りや、飲食店など社員が通常勤務している場所以外での活動も対象となる。

事業主には、セクハラを認めない方針の明確化と周知・啓発に加え、相談窓口の整備や、問題が起きた際の事実確認、被害を受けた求職者への配慮、行為者への措置、再発防止などが求められる。

厚生労働省はさらに、求職者と面談する時間や場所、複数人で対応するといった実施体制、やり取りに用いるSNSの種類などについても、あらかじめルールを明確にして周知するよう求めている。

リクルート、社員のOB・OG訪問サービス利用を禁止

リクルートホールディングスは10月1日、「採用活動における従業員などの就活セクハラ行為について」を公開した。

社員と求職者との面談は原則9~21時とし、ホテルやカラオケなどの密室(飲食店の個室を除く)や個人的な住居では実施しない。新卒採用担当者については、会社が認めた場合を除き、社員個人のSNSを使った求職者との直接のやり取りを禁止。採用担当者による私用端末の利用も認めない。

さらに、トラブル防止のため、就職支援企業などが運営する「OB・OG訪問マッチングサービス」の従業員による利用も禁止している。これは、就活生が企業の社員を探し、プロフィールなどを見て面談を申し込めるサービスで、従来のOB・OG訪問をアプリやWeb上で仲介する仕組みだ。

過去には、こうしたアプリを通じて社員と学生が知り合い、トラブルに発展したケースもある。2019年には、大林組の社員がOB訪問アプリで知り合った女子学生を自宅に連れ込んだとして、強制わいせつ容疑で逮捕された。その後、不起訴処分となっている。

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