ワン・トゥー・テン・ホールディングス(1-10 HOLDINGS)は11日、企業の宣伝・マーケティング担当者向けのセミナー「クリエイティブ・コミュニケーション・コンベンション2013」を都内で開催した。デジタル施策を取り入れたマーケティングの精度向上や自社サイト構築、クリエイティブなどをテーマに4つの講演・パネルディスカッションが行われたほか、会場では同社のクリエイターによるインスタレーション作品を展示した。
第1部は、同社の社外取締役でデジタルインテリジェンス代表取締役社長の横山隆治氏が講演し、デジタル施策を活用したマーケティング手法として「広告反応者分析」「全ログ分析によるカスタマージャーニー」「ソーシャルインテリジェンスをブランドKPIに」の3つを紹介した。より狙いすましたターゲティングが可能になるとし「データをしっかり見据えたうえで手を打たなければならない」と指摘した。
第2部はエクスペリエンス取締役の橘守氏が、自社サイトの構築と改善法について解説した。「ほとんどの企業は自社サイトの品質を把握できていない」と指摘し、サイト流入のボトルネックを解消し脱落を減らすことでいかに収益性が改善するかを具体的にシミュレーションした。橘氏はオウンドメディアについて「今と未来の顧客が見えるマーケティング装置だ」と強調した。
第3部はワン・トゥー・テン・デザイン取締役最高技術責任者の長井健一氏が、エンターテインメントコンテンツが生み出す広告クリエイティブの未来像について解説。第4部は1-10 HOLDINGSの澤邊芳明社長とTBWA\HAKUHODOエグゼクティブクリエイティブディレクターの佐藤カズー氏が登壇し、多摩美術大学の佐藤達郎教授をモデレーターにパネルディスカッションを行った。グローバルクライアントと国内クライアントの違いについて話しが及ぶと、「グローバル企業は、全てのタッチポイントでブランドを大事にする。クライアントとエージェントのトップ同士で話が進んでいく」(佐藤カズー氏)のに対し、「日本はピッチ単位で話題性を狙ったものになりやすい」(澤邊氏)。パートナーシップをめぐっては、「クライアントとクリエイターがお互いのブランドの夢を語れるようになるといい」(佐藤氏)と話した。
1-10 HOLDINGSは、Web制作会社らの経営統合で2012年4月に設立された。傘下には、事業会社としてプロモーションに強いワン・トゥー・テン・デザインとカラーズ(大阪市)、マーケティングに強いエクスペリエンス(東京・渋谷)とアナグラムワークス(大阪市)のほか、新設のクアル(東京・渋谷)を合わせ5つのプロダクションを置く。今後はアジア地域への拠点拡大なども計画しており、デジタルマーケティングに強みを持つクリエイティブエージェンシーとしての総合力を打ち出したい考え。
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