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コラム

教科書だけではわからない!B2Bマーケティングの実際

「ディマンド ジェネレーション」ってどうやるの?——高尚すぎる!?日本のB2Bマーケティングの実態

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【前回コラム】「B2Cとは全く別物!? B2Bマーケティングってなに??」はこちら

B2Bマーケティングの要はDBの精度にあり

あなたの会社は、顧客DBをお持ちでしょうか。
ここで言うのは、社内に存在しているだけでなく、きちんと継続的にメンテナンスされたDBのことです。

B2Bマーケティングの要は、このDBの精度に尽きます。B2BマーケティングはDBマーケティングと同義と位置づけても過言ではないと思います(購買履歴の管理はもとより、定期的な人事異動、昇進、転職などB2B特有なキーパーソンを補足する事情も発生するため)。
今後、マーケティング・オートメーションを実現しようとしている企業の場合には、なおさら必要でしょう。

それでは、あなたの会社は、テレエンジンはお持ちでしょうか。
テレエンジンとは、リストに対してフォローを行うコールリソースのこと。
玉石混交のリードをQualify(クオリファイ:顧客データを案件化の見込みが高い順にランキングすること)するのにアウトバウンドテレは欠かせません。テレセールスでもテレマーケティングでも構わないし、外部委託、内部リソースの如何も問いません。

その他、コンテンツを作る人員、メール配信する仕組み、イベント・セミナーに登録してもらうシステムなど…ほかにも必要なものを挙げればきりがありませんが、ここではそれらB2Bマーケティングに必要なものが用意されている前提で話を進めていきます。

戦略はファネルを組み立てるところから始まる

マーケティング戦略のプランニングをする際は、まずファネルを組み立てるところから始めます。そのファネル一つが、キャンペーンという単位になっていきます。一般的にキャンペーンと言うと、一定期間の値引きやプレゼントなどインセンティブを与える活動のことを指しますが、一つのテーマで複数のビークル、アセットを組み合わせながら見込み顧客を絞り込むことも意味します。

例を挙げると、こんなイメージになります。
ファネルの上部(Top of Funnel)はAwareness(製品サービスの認知・理解、はたまた集客など)フェーズで、ファネルの下部(Bottom of Funnel)はリード発掘と位置付けても、クロージング(商談成立)と位置付けても構いません。

そして設計前に必ず行うべきなのは、仮説を立てること。課題解決させようとしているシナリオを軸にそのターゲット像(ペルソナ)を組み上げていきます。そしてその属性のマーケットサイズ、ポテンシャルユーザーを鑑みながら母集団を作っていきます。B2Bなのでコンタクト(個人)数よりアカウント(会社)数のまとまりで結構。いわゆる、これがセグメント作りのプロセスです。
場合によっては、セグメントを作ってから、シナリオやペルソナを考えても問題ありません。現場ではその場合の方が多いかもしれないですね。

実行フェーズに移っても、選択したセグメントにあてるシナリオやオファーはマッチしているのか、ターゲット像は正しいのか、高速でPDCAを回す必要があります。
各所に設定したKPIに対して、可能ならデイリーで、最長でもウィークリーで効果測定をしながら微修正を加えて最適化し続けましょう。これは、「やったけど結果ダメだったね」的な状況を避けるためです。

そんなに壮大なリソースが割けない、そんなにビークルが用意されていない、短期間で成果を求められる…といった場合でも小さなファネルを設計して試してみましょう。
こんなイメージでもよいと思います。ただ、フォローコールは必須で挟み込んだ方が良いです。

製品、サービスなどによって若干レートは変わるものの、だいたい上のようなコンバージョン数値になるでしょう。

ここで僕の考える一つのコツは、セグメントを小さくしすぎないことです。
マーケティングは掛け算なので、小さい母集団にアプローチすると当然、結果も先細ります。100の施策を実施するのも1万の施策を実施するのもさほど、かかる労力は変わりません。それなら最低でも500法人以上のセグメントが確保できるシナリオを選択した方が良いでしょう。また、それが小さすぎると開始してすぐ施策が完了し、PDCAを回すまでもなくなってしまい、施策中のリカバリー策もままならなくなります。

次ページ 「ファネルを作ることで得られるメリット」へ続く