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コラム

若手起業家、世界一周へ

日本のトイレが秘める可能性

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先日、ヨーロッパの富裕小国ルクセンブルクにて、ルクセンブルク人と話していて日本のテクノロジーについて話題にあがりました。

僕はいくつか事例を紹介する中で、日本のトイレの話題を出しました。
話題だけでは理解できない部分も多いゆえに、以前観たことがあるTEDxTokyoであった、日本のトイレ事情についての動画を彼に見てもらいました。

ルクセンブルク人の彼は食い入るように動画に夢中になっていて、時折「凄い!」と声を挙げていました。
そうです。それほどまでに日本のトイレは進化を遂げてしまっているのです。

ここでフィリピン・北米・中米・南米・アフリカ・ヨーロッパの32カ国を旅してきた経験から、海外での一般的なトイレについて考えてみたいと思います。
基本、日本のようなウォシュレット機能や、便座を温めてくれる機能は海外のトイレでは一般的ではありませんし、僕は旅の道中では未だ見掛けたことがありません。

キューバの駅のトイレ。入ったら男性用小便器がすべて利用不可…

ケニアの一般家庭のトイレの水タンク。壊れています…

また、トイレ室内に入ると便座が自動で持ち上がるというスゴ技も海外では見掛けたことがありません。
(僕は高級ホテルには泊まらないので、各国の高級ホテルがどうなのかは把握していませんが、高級ホテルは“一般”では無いことから今回は無視します)

あくまで僕の主観ですが、先進国においてのトイレというのは極々普通のトイレです。便座を温める機能やウォシュレットなどはついていません。至ってシンプルな役割のトイレです。それ以上でもそれ以下でもありません。

次に中進国~途上国においてのトイレですが、国内での経済格差も激しいので一概には言えないのですが、まず基本便座がありません。何者かによって便座が盗まれた(?)か、壊れたまま放置しているのが普通です。また水タンクが壊れているトイレが多く、その場合は水瓶からバケツなどを使って水を直接便器に流し込みます。

トイレットペーパーは基本設置されていませんので、各自持参となります。カバンの中にトイレットペーパーを1ロール入れておくのは日常生活の基本です。上記のトイレイメージが僕の中では世界では最も多い状況なのではないかと思っている次第です。

ちなみにもっと厳しいところですと、便器自体が無いです。無論、水洗ではないです。
トイレという名の場所にコンクリートの床があり、そこに20センチ四方の穴が空いているだけだったりします。
もちろん、さらに厳しい場合はトイレ自体が無いです。住居の近くの木陰などに用を足す場所を設定し、穴を掘って用を足すスタイルです。と、、、ちょっと脱線しましたね…。

さてさて、ここで考えたいのは日本の高機能トイレは世界に通用するのかというところです。
近頃では一部のハリウッドスターが愛用しているなど、世界の富裕層に人気であるという話が聞くことがあります。

上に挙げたような途上国の人達向けでは、まだビジネスにはならないかもしれませんが、先進国の中でも冬が長いところでは便座を温めてくれる機能というのは非常に重宝されるのではないでしょうか?
ウォシュレット機能については文化自体を浸透させるには時間がかかると思いますが、便座保温機能から始めるのは非常に有効だと思います。

もし、僕がトイレ企業のマーケティング担当者であれば、冬が長い地域の先進国にターゲットを定めて、まずは利用体験をしてもらって価値体験を促進していきます。例えば、その国にある日本人経営レストラン(寿司関連は顧客も高所得者層が期待できる)に代理販売契約を結び、サンプル実機を提供し、まずはレストランのトイレに導入してもらいます。そこで利用体験をしてもらい、気に入ってもらえたらそのまま購入して頂くという流れです。
店のトイレの内側扉にiPadで日本の高機能トイレの説明を多言語展開するのはどうでしょう。
ユニクロのように、“ジャパニーズ・ハイテクノロジー”と掲げても良いかもしれません。
以前の記事参照

・・・と妄想も進んできたところで、この辺にしておきたいと思います。
実は僕は世界のトイレをジロジロ見てきましたが、一般家庭におけるトイレのグローバルブランドは不在のポジションな気がしています。今後の日本のトイレーメーカーに期待大です。トイレのガラパゴス化と叫ばれる前に、是非世界展開に一層積極的に!

なお、最近ビル・ゲイツ氏がトイレにイノベーションを起こすための活動も始めたようで、トイレ大国日本としては要注目ですね。http://goo.gl/7639e

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