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コラム

2013年、ソーシャルウェブの歩き方

「日」から「時間」。「時間」から「分」さらに「秒」へ――ソーシャルの進化は、フローのスピードアップの歴史。

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Sumallyが目指す「クロスSNS」

SpotifyやFoursquareのようなサービスもそうですが、ユーザーだけでなく対象物(Spotifyの場合は楽曲、Foursquareの場合はスポット、Sumallyの場合はモノ)がともにカタログ化されているサービスを僕は「クロスSNS」と呼んでいます。そのカタログを活かしたソーシャル機能であるフローと、膨大なデータベースのストックの混合体のこのスタイルが今後のひとつの形になっていくのでは、と感じています。Facebookが写真のアルバム機能になおさら力を入れたり、位置情報に参入したり、過去の投稿にアクセスしやすくしたり、と近年数々のアップデートを実施していますが、これらの多くはストック機能の強化になっていることが多く、フロー寄りだったサービスにストックの部分を付加していこうという戦略が見て取れます。

僕のやっているSumallyは一見フロー型でもあるのですが、目指しているのはやはり、フロー&ストックのバランスをうまくとることです。ユーザーが「Want」ないしは「Have」していることをフックに登録してくれている約100万(2013年9月現在)アイテムのデータをベースに(≒ストック)、適切なタイミングで適切な情報をユーザーに差し出す(≒フロー)、データが蓄積されていく仕組みと、ユーザーのニーズに対する情報の精度を上げる、その2つを同時に実現することが理想であり、他サービスとの差別化要素になっていくと考えています。

SumallyのWebサイトへ

そもそもフロー型、ストック型ともにインターネットサービスである以上、ひとつのサービスにユーザーが集まっていくというネットワーク外部性が働きやすい側面はありますが、フロー型は瞬間的な情報の集約、ストック型がデータの集約と、ユーザーに提供する価値のメインになる部分は違います。

Twitter、Facebook、はたまたLINEであれば、そこで求められる情報は「今誰が何をしているのか、何を考えているのか」になりますが、食べログやクックパッドでは「そのレストランの評価」「そのレシピの内容」になります。ストック型のコンテンツは、サービスの強みになるデータベースの部分が一朝一夕で作れるものではない場合が多く代替が効きにくい側面もありますが、フロー型であればなおさら、ユーザー間のつながりが弱ければ弱いほど代替が効きやすく、つまり競合サービスが台頭する可能性が出てくることになります。Sumallyがフローとストックのバランスをうまくとったサービスにしたいと考えているのは、このためです。

ちなみにフローとストックというのは主にデータの持ち方の話であり、結局そこにどう人が絡んでいるのかというのが、サービスにとっては最も大事なところです。その部分がサービスが「コミュニティ」なのかはたまた「ツール」なのか、という論点につながっていくところになりますが、その部分はこのコラムの最終回となる次回に詳しく書いていきます。それではまた2週間後に!