1カ月期間でもできる限りのことを行う
今回、清水寺へのLED電球を納入したことについて広告する企画の中で、広告以外に情報拡散する仕掛けを考えることになりました。11月26日に依頼の電話を受け、新聞広告を掲載するのが12月26日だったので、1カ月のコンパクトな期間で、できるかぎりのことをしようということで取り組みました。自分だけでなく、とにかくいろいろな人に協力してもらいながら、ネットを活用して話題になる体験についての事例を集めました。
その中に、ある化粧品ブランドがスノードームをスマートフォン上に再現するちおうコンテンツがありました。スマートフォンにタッチしなくても、振るだけでコンテンツが操作できる。そういうアプリは知っていたのですが、コンテンツでできるということを知らなかったので、こうした要素をと入りれたいと考えたのです。
そこで、何かアクションをすると音が鳴ったら面白いのではと考え、スマートフォンを振ると清水寺の鐘が鳴るというアイデアを出して、コンテンツに落とし込みました。コンテンツには、グリーティングカードの機能をつけてソーシャルメディアで鐘を鳴らす体験を多くの人に拡散できる仕組みとしました。
一方、拡散の仕組みだけでなく、流入の仕組みも考えなくてはならないので、プレスリリース、フェイスブック、ツイッター、そして新聞広告と合計で4つの流入口を用意しました。新聞広告には、二次元コードを付けてアクセスを促しました。
拡散にはツイッターが効果を発揮
結果は、スマートフォンサイトのアクセス数の概要で、ページビューが37万、セッションとしては9万、ユニークユーザーは8万3000人ほどでした。今回は、大晦日のイベントとして仕掛けたので、30日、31日で閲覧が伸びました。
さらに、どこからこのスマートフォンサイトに入ってきたかを調べたところ、オウンドメディアが9.2%、ペイドメディアが90.8%でした。
ペイドメディアの中でも、新聞は1.9%でした。フェイスブックが17.8%、ツイッタ―71.1%でした。ツイッターは面白いツイートは友達にも教えようと拡散する特性を持っているので、圧倒的に多かったです。
この清水寺のコンテンツで学んだことは、6つあります。1つ目は、普段から世の中の面白いものを見つけて、自分の引き出しにストックしておくこと。
2つ目は、まずはβ版を作って体験してから判断すること。スマートフォンを振ったら「ガーン」と鐘鳴るというのは、紙の上で説明しても伝わらないですが、実際やってみるとわかりやすいです。
3つ目は、ターゲットが共通して認識しているイベントや歳時に焦点をあてることです。今回は、大晦日ということで、初詣に行って、参拝の列に並びながらこのコンテンツを見てもらうということを想定しながら作りました。
4つ目は、単に二次元コードを記載しただけではスマートフォンには誘導できないことです。新聞もPCサイトもどちらも流入は少なかったです。
5つ目は、シンプルで拡散しやすい仕掛けを行うこと。今回のグリーティングカードのような、自分の体験を人に簡単に知らせることができる仕掛けです。
6つ目は、拡散するためにはフェイスブックよりもツイッターの方が効果的だったということです。
以上のことが、「体験」をコンテンツの中に盛り込む事例として、参考になればと思います。
(次回予告)
次は、プラスです。
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