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コラム

CSR視点で広報を考える

マルハニチロHD子会社冷凍食品農薬混入事件の正しい読み方(1)

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そして、今回、まさにアクリフーズで起こっている現象は、以下のような事例である。

  1. 犯人からの連絡がなく、製品が汚染されている場合に要求される判断
  2. 製品は実際に汚染されていたのか?そうであればどうやって汚染されたのか?
  3. 製品が汚染・変更されていた場合、その行為は意図的に実行されたのか?
  4. 意図的な行為だとしたら、どこでいかに実行されたのか?(例:製造過程か、搬送中か、販売店舗の店頭か、消費者が購入した後か?)
  5. 消費者によって製品が汚染されたのか、第三者によるものか、あるいは従業員の関与か?
  6. 例外的な事件なのか、それとも一連の事件のごく一部なのか?
  7. 似たような事件のマスコミ報道により模倣された事件の可能性はないか?
  8. 調査方法の選定、調査結果の確認作業の終了後、消費者保護対策をどのようにするのか?

今回の事件が、異臭の苦情→原因究明→農薬の検出→工場内で使用されていない高濃度の農薬検出→原材料残存農薬の混入否定→第三者による意図的な悪意の混入の可能性の経路をたどり、現在に至っているが、ここまでの結論に達するまでの時間がかかりすぎている。

特に、子どもを含めた家族全員が食卓で食する製品を多数取り扱う企業では、偶然な汚染はもちろん、悪意の異物混入の可能性については、一刻も早く情報公開と警察への協力要請が不可欠となってくる。遅れをとればそれだけ市場に展開された製品を回収するのに時間がかかり、うっかり口にするなどして嘔吐や腹痛などを起こす二次的被害も拡大する。6日現在、マルハニチロHDは冷凍食品約111万パックを4日までに回収したと発表したが、自主回収対象640万パックのうちの約17%にとどまっている。

≫次ページ 「危機管理の伝説「米国ペプシ注射針混入事件」の対処は日本でも役立つか?」に続く

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