コラム

朝日新聞10年生記者、ビジネスに挑む

赤い髪の女子から教わった、「発信しながら次の稼ぎを考えるのが新聞社」

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メガネ型端末などのウェアラブル端末を身につければ、さまざまな場所でニュースや情報に触れることができます。グーグルグラスをかけて京都を歩いたら、位置情報をもとに、京都の寺院や歴史に関するニュースが配信されたり、外国語の看板をのぞきこんだらレンズ上で日本語に訳されたり。街を歩いていて、レンズに最新ニュースが飛び込んでくることもありそうです。

ウェアラブル端末の可能性を探るイベントを企画した、メディアラボの竹原大祐

イベントを企画した、メディアラボの竹原大祐は「新聞社として、将来はあらゆる場所で信頼性の高い情報を届けられるようにしたい」と話します。メガネのレンズを通して画像を見たり音を聞いたり、もしくは腕時計型の機器に伝わる振動でニュースを体験できるようになれば、「情報の送り手と受け手のあいだで、五感を使った情報のキャッチボールができるようになる」といいます。

イベントも、報道機関の情報発信のやり方の一つです。開催前からフェイスブックで発信しつつ、リアルなイベントを通して将来の技術や情報を整理し、あるいはウェアラブル端末を日本の会社がどう応用できるかを来場者に議論してもらい、朝日新聞側も提案をするという、新聞社ならではの企画になる予定です。

技術の宣伝に終始したり、流行を無理やり作り出したりするようなイベントではなく、批判的視点も含めながら未来の社会を考えることが「新聞社的なブランド」だからです。

1月7日の「RYAN、ニューヨークで起業家ジャーナリズムに出会う」でお伝えした、報道機関がイベントを通して収益を上げる「ライブジャーナリズム」の可能性も探ることができます。

グーグルグラスのようなタイプのウェアラブル端末にはカメラ機能があるので、街を行き交う人がどんどん画像として記録されるというプライバシーの問題もありますし、運転をしながらつけて交通事故を起こす可能性が米国では指摘されています。

一方で、ソニー、グーグル、サムスンなど大手メーカーや、ベンチャー企業が次々と商品開発に乗り出すことで経済の活性化や技術革新につながります。障害者や高齢者など体が不自由な人の身体機能を「拡張」して暮らしをよくすることもできます。

ウェアラブルが広まることで、ITをいつも持ち歩いて操作し、外の世界と交流するというスマートフォン以降の流れが定着するでしょう。オフィスや家や電車の「中で」パソコンをさわることとは違った文化が生まれそうです。

そしてその流れは、今後、メディア業界にさらなる大きな変化をもたらす予感がしています。先をいかないといけません。

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