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今だからこそ求められる文章力(2)――伝わる文章と伝わらない文章、差はどこで生じるか?

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本連載は、2月15日に開講する「文章力養成講座」の開講にあわせて掲載します。

【連載】今だからこそ求められる文章力


堀内 伸浩(文章コンサルタント)

文章を書き始める前に必ずやるべき2つのこととは?

世の中には「伝わる文章」と「伝わらない文章」がありますが、この差はいったいどこから生じるのか、あなたはご存知ですか?

じつは、文章を書き始める前に「あること」を行ったか、行っていないかで、この差が生じるのです。

では、その「あること」とは何なのか?
それは次の2つです。

(1)文章を書く目的を明確にすること
(2)読み手は誰なのかを明確にすること

目的意識が希薄だと、“ 自己チュー ” な文章になる

じつは、かく言う私自身もそうだったのですが、かつては「何のために書くのか?」という目的意識が極めて希薄でした。

自分の文章を読んだ相手に、何を一番伝えたいのか。どのような行動を取ってほしいのか。どんな気持ちになってほしいのか。そんなことは、これっぽっちも考えたことがありませんでした。

とにかく、自分の言いたいことを、自分の都合で、自分の好き勝手に書いていたのです。いわゆる “ 自己チュー ”(自己中心的)というやつです。

だから、営業マン時代の私は、いつもお客様からこう言われていました。

「だから、これを買ったら、うちにどんなメリットがあるの?」

当然これでは売れないわけで、一事が万事、すべてがこんな調子だったのです。あのころ「文章を書く目的」を意識していたら、おそらくもっと営業成績が伸びていたことでしょう。

「伝わらない文章」の責任は100%書き手にある

2つ目の「読み手は誰なのかを明確にすること」もすごく大事なことです。
なぜなら、読み手のことを意識していない文章というのは、独りよがりの文章になってしまいがちだからです。

たとえば、読み手が読めないような難しい漢字や、理解できないような熟語を使ってしまうケースがそうです。また、専門用語や業界用語、流行語、略語、カタカナ語を使う場合もそうです。

自分が知っているからといって読み手も知っているとは限りません。読み手によっては、その言葉を知らない場合もあるのです。そうなると、こちらの意図が正しく伝わらない可能性も出てきてしまうわけです。

「こんな漢字が読めないほうが悪い」、「この言葉を知らないほうが悪い」と相手を非難してみたところで、ビジネスの現場では通用しません。伝わらなければ意味がないのです。

したがって、文章を書き始める前には、必ず「目的」と「読み手」の2つを明確にしてから書き始める習慣をつけていただければと思います。

次ページ 「句読点を打つ場所によって、意味が変わることもある」に続く



堀内 伸浩

文章コンサルタント
1965年奈良県生まれ。同志社大学商学部卒業後、ブルボンに入社。人事と営業を経験した後、25歳で編集プロダクションに転身。数々のビジネス系書籍や雑誌の編集・執筆、企業の販促ツールや広告制作を経験した後、30歳でフリーライターとして独立。『あたりまえだけどなかなか書けない文章のルール』『きちんと伝わる文章の書き方』『キャッチコピーの作り方』など「書く」ことをテーマとした書籍を多数出版。同時に、全国の商工会議所主催の文章セミナーや企業のビジネス文章研修の講師として、多くの人に文章指導を行っている。