東京コンプレックスは東京にもあふれている
今回、当社代表2人に話を聞いてみて、“東京に憧れるがゆえに生まれた「東京コンプレックス」という邪念がものづくりのエネルギーになっていた”という話がとても面白かったのですが、実は「東京コンプレックス」は東京にもあふれていることを、大阪の人は気付いていないのかもしれません。
私は東京生まれ東京育ちですが、“東京人のアイデンティティ”というものが分かりません。なぜなら、東京は、地方や海外から移り住んだ人の割合が多く、今ある「東京らしさ」というのは、根っからの東京人がつくったものではないと思うからです。東京自体、東京コンプレックスだらけの街です。大阪人がよく言う「東京人のイメージ」は、地方から移り住んだ人の「東京コンプレックス」によってつくられている気がするのです。しかし、そこが膨大なお金の動くマーケットでもあるのですが…。
例えば、新しいスイーツが流行れば、おしゃれな女子たちが行列を成して何時間も並んだり、大学生がみんな同じ数十万もするブランドのバッグを持っていたりする。そういう光景に見え隠れする「東京コンプレックス」は、東京で育った人にしか分からないかもしれません。
大阪に来ると、「東京人は冷たい」とか、若干馬鹿にする意味で「シュッとしてる」と言われますが、それは本当の東京人なんだろうか?と思うことがよくあります。東京の人がおしゃれなのではなく、東京に憧れて来る人が頑張っておしゃれしているのが東京。もちろん東京生まれの人もおしゃれはします。でも、大阪人が言う「シュッとしてる」というのは、東京全体のアイデンティティではないと思うんです。
一方で、大阪人のアイデンティティはわかりやすい。誰に聞いても“笑いは正義”だと言う。サービス精神旺盛で、ボケとツッコミは暗黙の了解。地元愛が強くて、どこに行っても関西弁を通す。勝っても負けても阪神タイガース命。安いもの自慢。カッコつけることが恥ずかしい——今の若い人たちには当てはまらないこともあるかもしれませんが、少なくとも“笑い”に対する共通ポリシーはあるはずです。
あ!“笑い”といえば、いま取り組んでいる仕事は、まさに大阪でしかできないことかもしれません。8月1日から3日まで、松竹芸能が運営する道頓堀角座広場の1周年記念イベントの一貫として、松竹芸能所属の芸人さんと一緒に「松竹芸人と笑わない侵略者 ~伝説のネタ帳を探せ!~」という、道頓堀の街を回遊する謎解きゲームを企画しているのですが、東京に比べると、大阪の商店街や店舗の協力体制が強く、街全体で「面白いことをやる」という一体感がすごい。
東京でも街を回遊するイベントをやったことがありますが、大阪では「こんなことまでさせてもらえるの!?」という驚きにあふれています。きっと、大阪でしかできない面白いイベントになると思います。関西の方、ぜひ遊びに来てください。
と、最後はちゃっかり宣伝をしたところで終わります。ありがとうございました。
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