マーケティング調査会社、米ボレル・アソシエイツの試算によると、今年の選挙に費やされる広告費用は、総額83億ドル(約8700億円)となり、有権者一人当たり37ドルという驚くべき金額となる見込み。これが次の大統領選挙が行われる16年には、有権者一人当たり51ドルにまで増加するという。
これだけの金額をつぎこんだ効果は、よくも悪くも絶大だ。よい点で言えば、候補者の顔がよく見えて、公約も分かりやすく伝わる。例えば、公約広告は一つに限らず、経済や雇用、教育など多岐に渡るので、ウェブサイトで調べたり、新聞で読んだりするよりも、スピーディに伝わる。選挙によって、自分たちのリーダーを選ぶ民主主義に貢献していると言える。
悪い点は、やはりネガティブ広告にあると思われる。選挙が近づくと、有権者は、ネガティブ広告を話題にしがちだが、これは公約広告と異なり、候補者を選ぶ判断材料を狭めている傾向が強い。同時に、選挙広告の中でネガティブ広告の占める割合が高くなると、選挙そのものに対す不信感を高める可能性も強い。
日本人の目から見ると、映画の予告編かとみまがう、手のこんだ選挙広告を見るのは、日米の違いを認識できて興味深い。しかし、選挙広告の是非は今も問われている。
「大統領選挙」に関連する記事はこちら
「ネガティブ広告」に関連する記事はこちら
津山恵子(つやま・けいこ) NY在住ジャーナリスト、日本外国人特派員協会正会員 |
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版コラムニスト。米国社会・経済について幅広く取材し、過去にYouTube創設者スティーブ・チェン、Facebook創設者マーク・サッカーバークなどをインタビュー。著書に「モバイルシフト『スマホ×ソーシャル』ビジネス新施略」がある。 |
新着CM
-
クリエイティブ
BOVAグランプリに「Let’s ギューリッシュ」 短尺・縦型増加で...
-
AD
宣伝会議
【広報部対象】旭化成のグローバル社内イベント成功事例を紹介
-
クリエイティブ
世の中を変えようと挑戦する起業家をヒーローに――2023ACC賞審査委員長が語る
-
クリエイティブ
「これでいいのか?」これからの広告(東畑幸多)コピー年鑑2023より
-
コラム
語り出すと止まらない!櫻坂46の魅力(遠山大輔)【後編】
-
AD
クリエイティブ
たきコーポレーション「ZERO」が採用開始 Web制作会社にない強みとは
-
販売促進
ファンタジー好きに訴求するグミ カンロ、空想の果実をイメージした新商品
-
販売促進
横須賀市、メタバースで観光誘致 AIアバターの実証も開始
-
特集
はじめに/あとがき/解説でざっくりわかる 宣伝会議のこの本、どんな本?