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就活生は論理で行き詰まったら、直感に開き直ることも必要——「ジブンと社会をつなぐ教室」schoo森健志郎氏特別インタビュー(前篇)

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【前回記事】「「就職」と「就社」の違いが見落とされ、学生と企業のミスマッチが起きる——「ジブンと社会をつなぐ教室」山田ズーニー氏特別インタビュー(後篇)」はこちら

広告コミュニケーションのノウハウで就職活動生の悩みの解決に取り組む、電通×マスメディアンの共同プロジェクト「ジブンと社会をつなぐ教室」。そのメソッドを書籍化した「なぜ君たち達は就職活動になるとみんな、同じことばかりしゃべりだ出すのか。」の発売を記念した特別座談会が開催された。著者である電通 保持壮太郎氏と大来優氏の二人が、オンラインの学習サービスを提供しているスクーの森健志郎氏をゲストに迎え、「伝える」をテーマに話し合った。

左から電通 コピーライター 保持 壮太郎 氏、スクー 代表取締役社長 森 健志郎 氏、電通 アートディレクター 大来 優 氏

灰皿を投げられる、からはじまった新人時代

保持:森さんは現在、起業家として活躍していますが、新卒のときは普通に就職活動をしたと聞きました。

森:2009年に近畿大学の経営学部を卒業しまして、リクルートメディアコミュニケーションズに入社しました。最初の半年間は千葉で、SUUMOの広告を地場の不動産会社に営業するという仕事をしていたんです。最初に入ったお客さんから灰皿を投げられて、名刺を破られるっていう(笑)。

保持:それはまた壮絶な。

森:パソコンが使えないようなおじいちゃんたちに、「リクルートは嫌いだけど、お前は好きだからやってやる」と言ってもらえるような人柄を出した営業を半年間やり、そのあと本社に戻って住宅広告の制作を担当していました。

保持:ご自身の就職活動をふり返ったときに、「伝える」という意味で苦労した記憶はありますか。

森:最初に苦労したのは、自分が思ってた以上に大人と喋り慣れていなかったこと。同世代だと、こういうことが刺さるんだなと、なんとなくわかると思うんですけど、40代とか、50代とか、ポジションも世代も違う人に同じことを言っても刺さらないんですね。それをどう変えていくのかっていうところが結局わからなかったです。リクルートにはインターンシップのときに若い人事の方が目を付けてくれて入社したということもあり、就職活動は世代のギャップを解決せずに過ごしてしまったと思います。

保持:そんな森さんが入社後は飛び込み営業で灰皿投げられていた。伝える相手としては一番難しい相手と対峙していたわけですね。その時代にはどんな工夫をしていたんですか。

森: 1年目のときに「伝える」ということを解決できなかったんですね。そこで、伝え方を変えるのではなくて、どういう人にだったら伝わっているのかということをマトリックスをつくり分析していました。

保持:自分は変えられないと。

森:そのときは変えるという考えにいたらなかったので、自分のコミュニケーションが伝わるゾーンをあぶり出して、そこだけのリストをつくり営業するということを行っていました。

大来:それはすごい。

森:人生で初めて書いた4象限でした。男性、女性、情緒的、論理的というマトリックスを書いてプロットして、情緒的な女性社長ならば、すごい伝わっているぞとか(笑)。

次ページ 「時には直観に対して開きなおることも重要」へ続く